猫かぶり少女の憂鬱

危機感 ページ28

殺「ぜー、ぜー、ぜー…」

前「…さすがに相当疲れたみたいだな」

岡「なんでここまで一生懸命先生をすんのかね〜」

今なら殺れるかな…なんて声も出ている。

今まで以上に分身の数が増えていて、殺せんせーのレベルアップを感じてはいたところ、

分身をすることは体力を結構使うらしい

殺「…ヌルフフフ。全ては君達のテストの点をあげるためです。そうすれば…」

生徒たちの尊敬の眼差し、評判を聞いた近所の…胸の大きな女子大生が慕ってくれて、

殺される危険性も無くなり、先生にはいいことずくめ…らしい。

相変わらずだな…笑

のどかに眺めていたのもつかの間

岡「俺達エンドのE組だぜ殺せんせー」

三「テストなんかより…暗殺の方が余程身近なチャンスなんだよ」

その言葉で雰囲気が変わってしまった

殺「今の君達には…暗殺者の資格がありませんねぇ」

烏間先生とイリーナ先生を呼んで校庭に出なさい。と言うと、静かに教室から出ていってしまった。

あ「怒るってそういう事ね…」

あの時の言葉が蘇って辻褄が合った







烏間先生やビッチ先生に暗殺の極意を聞いたあと、サッカーゴールを退けたグラウンドに、先生は立つ

殺「第二の刃を持たざる者は…暗殺者を名乗る資格なし!!」

回転して竜巻を起こす殺せんせー

あ「んっ!!」

グラウンドに近いところに立っていたせいで砂埃や雑草が舞う中、

自分の身を守るので精一杯で、場所を移動する余裕もない

思わず、ぎゅっと目を瞑り腕で庇う

業「Aちゃん。こっち」

暴風の中かすかに聞こえた声と共に、腕を引っ張られる

連れてこられた所は校舎の影になるところで、風を防いでいた。

あ「か、業くん…ありがと」

業「どんくさいんだから…」

なんて言いながら向かい合って風で乱れた髪の毛を整えてくれる

私自身も髪の毛を整えようと手を伸ばしていたから少し手が当たってしまった

あ「あ、ごめんね」

思わず上を見上げて謝ると

業「危機感とか持たないわけ…？」

あ「危機感…？え、なんか怒ってる？」

業「別に」

と言うと、業くんは、はい。できたよと目線を殺せんせーに移した

この一帯を平にした殺せんせーに渚くんが問う

潮「第二の刃…いつまでに？」

殺「決まっています。明日です」

殺「明日の中間テスト。クラス全員50位以内を取りなさい」

「「!!?」」

皆は驚きを隠せていなかった。が、

あ「…余裕だよね？業くん」

業「言われるまでもないね」

私たちの勝負はこれからだ。

思惑通り→←故意に

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