白鳥沢学園のマネ 4 【ハイキュー！】【白鳥沢学園】 (ページ44)

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『烏野と伊達工が試合？

それって、私が行く意味あります？？』

私はもう白鳥沢のマネージャーを卒業したのであって、後輩たちにしてあげることはもう何も無い。これから進むのは私の未来への1歩という所だろうか。

「楽しんでこい」

『可愛い子には旅をさせよってか』

「可愛げも何一つないがな」

『マジでシバく』

そういっているコーチだが、声には優しさが包まれている。成長しているのは自分だけじゃない。周りだって、私の知らないところでも知らない誰かは前進をし続けている。あぁ、イラついてきた。

『あ、でも。稲荷崎に顔出す予定あるんですよね』

「は？、なんで？」

『従兄弟と後輩を弄りに』

あの問題児である宮侑が北信介の腕の中でどんな風に暴れ回っているのだろう。笑みが零れてしまう。

「はぁ。…程々にしとけよー」

『あーい』

3年間共に練習に付き合ってきたコーチだ。
私のことを熟知しているだろう、私はね、
遊び且つ勉強しに行くんだから

『コーチ。人生って面白いね!』

コーチと監督を女装させたことも
仲間達と笑い転げたあの日常も何気ない当たり前だった
意味の無い会話も、全部全部、楽しくて面白くて
これが日常だと知った時私は失うことの恐怖を覚えた。

「あぁ。そうだろ。
もっと楽しめよ。青春はまだまだこれからだ。」

__オレが全国に連れて行ってやる

__私が全国まで連れていくと誓ったんだから

__私たちが居れば最強よね

__ありがとな。マネージャー

卒部する直前まで100本サーブして、3年生はその後しくしくと各々で影を潜んで泣いていて、後輩の前で泣く姿さえ見せない。それなのに、美しい。と思ってしまった自分はなんだろうか。

勝負をするということは、勝ちと負けがでるということ。

勝って当然

負けて経験

本当にあの頃は楽しかったよ。

『3年間ありがとね、コーチ』

「それ前にも聞いたぞ。もう充分だよ」

言い足りたいの。

本当に私のこの感謝の思いが100%伝わっていないと意味が無いの

自分の居場所を教えてくれたのは

あなただったから。

「ひめー！！」

遠くで瀬見の声がする。

『じゃあね！コーチ』

「もうお前のコーチじゃないけどな～。

また、遊びに来いよ。いつでも大歓迎だ。」

そういって笑うコーチは綺麗だった。