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『来てくれたのね。信ちゃん』
正門前見慣れない制服が見える。
でも、懐かしい面影なはずなのに
後ろのシルエットで分かるのは何でかな
「おつかれさん。A」
独特のなまり。
何故か聞いてて心地がよかった。
『連絡してくれれば良かったのに』
「いや、驚かせたくなってなぁ」
『ふふ、驚いたよ』
白髪なんて中々居ないもの
家まで送ると言って彼は私の荷物を持ってくれた
「そうか、それなら良かった」
目を閉じ口角を上げて幸せそうに微笑む彼は
儚く綺麗だった。
『_重くない?』
「大丈夫やで、慣れてるし」
少し大きめの紙袋に入ってるのは
先程主役だったドレス達
『_成長したなぁ。』
背丈も骨格も見た目も、少し低くなった声も
そして、
小さい時は今までよりもなかった喉仏
男の子から青年に変わってるのを
意識させられる。
「そりゃ成長しとるわw。もう10年以上ぐらい前のことやし」
10年も経ってれば誰もが成長してるか
「家、変わってないんか?」
『そう。変わってないよ』
「わかった。」
久しぶりに来るはずの彼は
どうやら道のりは覚えているらしく
スムーズに私の隣を歩く
1歩の歩幅も違うはずなのに__
彼の背丈は変わっても
心からの優しさは変わってなかった。
彼が遠くの存在に見えたモノは
案外近くに居たのかもしれない。
「あ、そうや。12月にバレーの時期ユースのやつ行くんやろ??」
『そうよ、確か稲荷崎も行く予定よね?』
「後輩が世話になるわぁ、よろしくな」
『あ、そっか!後輩か!』
2年生 宮侑
そうだ、稲荷崎だったか、
「忘れとっかんかw、まぁ、何かあったら連絡してきーな」
『あ、スマホ変わった』
機種変してから連絡先がいくつも消え
彼のも消えてしまった
「やけんかw」
連絡しても既読がつかなかったのか、
なんて、自己解決している彼は
やはり私の知ってる彼だった
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甘党 - まだ、続いて欲しいなぁ,,, (2021年10月15日 22時) (レス) id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
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