【HQ】スマホ壊れたから髪切った

#３８ ページ39

みんなで いただきます をした後、この食卓の場は賑やかになった


もちろん、いい意味で




その賑やかな空間の中で、リエーフが震えた手で私の肩を叩いた







『 ん、どーしたの？ 』




「 …あの、Aさん、俺、その… 」






あぁ、これはきっと、あれだ


まだ顔面ボールを引きずってるやつ







『 …あのね、リエーフ。私さ、全然だいじょぶだし、なんならあん時より元気だし、心配しなくても 』




「 っでも俺は！！！…俺は、好きな人の顔面にボール当ててヘラヘラしてられる程無神経じゃないです！！ 」








私の言葉を遮るように声を上げたリエーフは、自身の勢いに乗ってとんでもない事を言い出した




当然の事ながら、その声に、その場にいる全員が固まった







「 ま、てよリエーフ、お前何言ってんの…？ 」






苦笑いで夜久さんも止めに入るけど全く意味がなく、リエーフは血走った目で私の両肩をがっしりを掴んだ




目をそらすなと言いたげに私をじっと見つめて







「 っAさん！ 」





『 ハイ 』





「 俺、初めて会った日から、Aさんがずっと大好きです！！ 」





『 っぇぇ、 』





「 …今はまだ、付き合ってくださいとは言いません。でも、…もっと俺の事、意識してください！ 」





『 アッ、はい、ワカリマシタ 』








あぁ、ヤバい、顔あっつい

そうだ、トイレに行こう



んで、ちょっと落ち着いてから戻ってこよう







『 あ、はは、…ちょっと、熊狩ってきます 』









「 …あの、清水先輩、 」



「 …うん、私ちょっと様子見てくるね 」







公開処刑だ



やばいって




いや、さ、だってそんな…ね









トイレの鏡に移る自分を見る



思ったよりも顔は赤くなかったけど、冷や汗がだらだらだった








「 …あの、Aちゃん、大丈夫？ 」



『 潔子、さん？ 』



「 うん、…入っても平気？ 」



『 あぁ、はい！全然大丈夫ですよ！ 』



「 灰羽の事、どう思ってるの？ 」



『 ……リエーフが懐いてくれてるのは自覚してました。でかいけど、すごく可愛い後輩で、それ以上でもそれ以下でもないです 』



「 …そっか 」






.








.







.








.







「 …リエーフ、お前は頭冷やせ 」




「 黒尾さん、…先手必勝、っすよ 」



「 っ… 」

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