Night:8 ページ18
「キャプテン！」
私は思わず声を上げた。
「しっ。あいつらにバレるだろ」
彼は私の口を押さえると、人差し指を当てて顔をしかめた。
「あの…これも呪いのせいなんですか？」
「多分な。つかそのキャプテン呼びと敬語やめろって言っただろ」
「で、でも」
彼はそのまま私をおぶると、洞穴からそっと抜け出した。
紺色のカーテンが空を包んで、その上に星を散りばめたように今夜は美しい夜だ。
「…えっと」
「何だよ」
「貴方も…起きてたの？」
「はあ？あの喧騒の中で起きない方がおかしいだろ。何故かトーニョの奴とフェリシアーノは倒れてるし」
という事は…起きていたわけじゃなかったのか。
少し、意外かもしれない。
私達は、洞穴の近くの海がさざめく砂浜についた。
「あっ、ごめんなさい！重かったんじゃ」
「そんなことねえよ」
ゆっくり私を降ろすと、すとん、と彼は隣に座った。
「さっきまで、トーニョさんとフェリ…ギルやキクさんまで私と寝たいって言い出してきて」
「ほう」
「何だか様子がおかしかったし、それもこの島の呪いのせいなんだよね？」
彼に言われた通り敬語を止めると、わし、と乱暴に頭を撫でられた。
「聞いた話だが」
私の頭を撫でながら彼は言う。
「ずっと昔この島では、空腹や己の欲に耐え切れなかった村民が大量に集団で命を絶った場所らしいんだ。ここに来ると、財宝や自分の欲の為に来た者には言わずもがな、そうでない者でさえもそいつの醜い欲がでて理性を失ってしまうみたいだ」
「と、いうと」
「財宝が欲しい、女が欲しい、権力が欲しい。
海賊なんてのは皆そんなんを考えてるもんだ。だから、ここに来た者は全員自分の欲の為に殺しあって命を失ったんだろうな」
でも、少なくともカークランドの船員たちは死んでいない。
「何故…」
「俺の船の奴らは完全な紳士達だからな」
「海賊に紳士も何も…」
「なあ」
アーサーは小さな貝殻を拾うと、それを透かして夜空を見上げた。
「まだちょっとだけ、2人でいよう」
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とと(プロフ) - アルマダさん» わわ、ありがとうございます！ミスも多いでしょうに…！お恥ずかしい。笑 一旦お休みを頂きますが、また復活したらその時はリクエストでも気軽にしてやってください^^ きっと凄く喜びますので… (2017年5月5日 19時) (
レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
アルマダ - もう５回ほど読み返してしまいました笑それくらいとてもいい作品で…！これからも作品作り頑張って下さい。陰ながら応援させていただきます。 (2017年5月5日 18時) (レス) id: d15fe667b8 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - MGilbertさん» 見てくださってありがとうございます〜！ 少しでも彼らの優しさを出せたらいいなと思ったので…笑 (2017年2月2日 10時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
MGilbert(プロフ) - 最っ高やわ〜結婚の仕方が皆らしくて和んだ（笑） (2017年2月1日 6時) (レス) id: 5060b92478 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - はとのしっぽさん» レス遅くなってしまいすみません…！応援とてもありがたいです、頑張ります(´；ω；｀) この作品も見てくださって本当に有難うございました！ (2017年1月27日 7時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とと | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hometotop/
作成日時：2016年6月13日 5時
