Alchemist.2 ページ2
相澤side
ふと、病室にある時計を見た。
もう8時か…
取り敢えずこの子のご両親も心配しているだろうし警察に電話することにした。
警察なら身元の特定出来るだろう。
相澤「イレイザーヘッドだ。…嗚呼、そうだ。
ある少女の身元を特定して欲しい。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
相澤「嗚呼。ではよろしく頼む。」
電話が終わり椅子から立ち上がる。
またチラ、と少女を見た。
それにしても彼女は一体何者なのだろうか。
草むらで、しかも全身傷だらけで気絶していたし、
白シャツに黒ネクタイという幼い子には似つかわしい、堅苦しい格好をしていたし、
片腕と片足は義手だし。
こうして冷静に考えてみると本当に不可思議な点が多い。
全く…まだ幼い子供を1人にしておくとは。
この子の親は合理性に欠くな。
そう思ってから、はっとした。
傷だらけの身体。
幼い子が1人でいた事。
そして、この子関係の通報は一切無かったこと。
この子はもしかして＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿虐待にあっていた？
その答えに辿り着いた時、小さな唸り声が聞こえた。
ぱっと少女を見ると苦しそうに唸りながら布団をぎゅっと握っていた。
悪夢でも見ているのだろうか。
そんな少女を俺は痛々しくて見ていられなかった。
慰めのつもりで義手ではない右手をそっと握ってやると、何かを小さく呟いた。
「かあ……ごめ…なさい
ごめんなさい……
ごめんなさい…………かあさん」
もう確定では無いのだろうか。
弱々しくそう何度も呟く彼女を何とかして助けてやりたかった。
相澤「大丈夫だ。もう大丈夫。
きっとお母さんは許してくれるよ。」
そう俺は優しく頭を撫でた。
何に苦しんでいるのかは分からないが、眠っている彼女に少しでも安息を与えて上げたかった。
そうしていると少女は段々落ち着きを取り戻した。
暫くして少女は寝息を立て始め、思わず吐息を漏らす。
時計をみるともう9時を過ぎていた。
明日は日曜日で教師の仕事もヒーローとしての仕事も非番の日だ。
また明日様子を見に来よう。
警察の仕事は早いもんで、明日の昼にでもこの子の身元を特定してくれると言っていた。
そうして俺はそっと病室を出ていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
清緑(プロフ) - つぐみさん» ご愛読下さりありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです✨欲張りな設定で書かせてもらっているので批判が来ないものかと思っていましたが、そのお言葉にホッとしました。 (9月20日 20時) (
レス) id: 7776606820 (このIDを非表示/違反報告)
つぐみ(プロフ) - ヒロアカもハガレンも好きなので読み始めました！読んだのはまだ序盤のみですが夢主も可愛くて面白いですし、最推しの相澤さんが最初からお話に関わっているのが個人的に凄く嬉しかったです。 (9月17日 14時) (レス) @page12 id: b201dc98c8 (このIDを非表示/違反報告)
清緑(プロフ) - 悠羽さん» ご愛読下さりありがとうございます！質問の件に関しましては私のミスです()下書きでの主人公の名前を凜々奈という名前にしてあるのでそのままになってしまってました…ご指摘ありがとうございます、見落としてたので本当に助かりました…！ (8月25日 10時) (レス) id: 7776606820 (このIDを非表示/違反報告)
悠羽 - とても面白いです。ハガレン×ヒロアカはなかなかないのであの質問なのですが 主人公の日本での名前が凛々菜なのか(名前)での名前なのか定まっておられないのようなので名前がコロコロ変わって気になってしまい... (8月24日 14時) (レス) @page39 id: 1c3272f205 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：清緑 | 作成日時：2023年8月11日 23時
