隠さず3 ページ3
夜久が自席に戻り、本を開いて数秒経ってから。
「くくくく黒尾サマ。あの、あれは、その」
「ああ、そうだな」
「やっぱりあの、俗に言うアレ、なんですね?」
その行為の名前を口に出せるほどの余裕は、私には無い。
「間接的に行われる唇と唇の交流......」
「おジョーさん言い方」
「展開早くない? 嘘でしょ?」
パンを一口食べられた瞬間、唇に柔らかいものが当たったように感じた。気の所為だけど。
真っ赤に照れた夜久の顔も、目の前に広がっていた気がした。妄想だけど。
実際は平然としていて、意識していたのが私だけだと思うと釈然としない。
「おーいAサン。今ならいいモン見れるぞ」
「悔しい......私だけだなんてっ......」
「ちょっと? 聞こえますかー」
黒尾にちょいちょいと肩を突っつかれて、ようやく我に返る。向ける焦点を忘れた瞳は、彼の指が指す方向を辿った。
「お前らおもしれーな」
「わっ......」
本で顔を隠して縮こまる夜久。見える耳は赤く染まっている。やっと感情が追いついたといったところだろうか。
「あぁあ......好きぃ」
「照れる」
「黒尾ちゃうわ」
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イルカ(プロフ) - ナノハナさん» しばらく黒尾カッコ良し男ターンです笑。黒尾のいいところフルで出せますように……! (4月18日 19時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 更新待ってましたぁ!!黒尾、お前は本当にいい奴だよ(涙)更新ありがとうございます!! (4月15日 21時) (レス) @page25 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - ナノハナさん» やっくんはカッケェです(真顔)追っかけありがとうございます、こちらも嬉しいです笑! (4月13日 12時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 更新、ありがとうございます!!!!本当に嬉しいです!!あぁ、やっくんカッケェ… (4月6日 21時) (レス) @page23 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - まあさん» こちらこそ……多すぎる好きの受け止めありがとうございます (3月22日 15時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イルカ | 作成日時:2024年2月19日 21時