隠さず１８ ページ18
春高予選三日目。ゴミ捨て場の決戦と名付けられた因縁の対決を見に来てほしいと、夜久から指定があった。果たしてそこまで残れるのかと懸念していたが、その必要はなかった。見せつけるかのように、音駒は三回戦に残っている。
両校ともに応援に気合が入っていて、会場は熱気に包まれている。
そんな様子が、テレビ越しに伝わる。
「サイアク......」
息を吸うと、マスクが顔に張り付いた。マスクと肌の間には、きっと会場と同じだけの熱気が籠もっている。なんて嬉しくないんだ。
起きたときから、身体が重たく喉が傷んでいた。気づかないふりを試みたが、あまりの熱で断念。結果、楽しみにしていた春高を見に行くことは叶わなかった。
「ンアアッッシ!!!!!!」
試合も、もう終盤。濁点の付いた叫び声とともに、相手校のオレンジ頭と、黒尾の姿が映る。その表情が、珍しく裏のない喜びに満ちた笑顔で、思わず写真に収めた。
そこから、何度かラリーが続き、先にマッチポイントを掴んだのは相手校。ベッドの中で休まることも忘れて、すっかり画面に食らいついている。
実況が黙りこくるほど、長く、静かで、白熱したラリー。決まったかのように見えたレフトからのストレートへの攻撃を、海が完璧にあげた。スローモーションで、まるでボールが止まっているかのように見える。それは段々とセッターの彼の手に吸い込まれていき――落ちる。
ボールと床に触れ合う音以外が、消えた気がした。「......汗、ですね」という実況の声で、ようやく我に返る。
負けてしまったという感覚が、心の奥底を蝕む。でも、テレビに映った彼らが清々しいほどの笑顔で、そんな感情はすぐに去った。
「あーもう、間近で見たかったなあ......」
カメラが三年の三人をアップで映す。涙目で笑う夜久の耳元に黒尾が小さく囁いて、回し蹴りを食らう。涙を拭って、カメラをまっすぐに指さして。夜久衛輔の口パクのプロフェッショナルにだけ伝わるように。
う、い。
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イルカ(プロフ) - ナノハナさん» しばらく黒尾カッコ良し男ターンです笑。黒尾のいいところフルで出せますように……！ (4月18日 19時) (
レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 更新待ってましたぁ！！黒尾、お前は本当にいい奴だよ（涙）更新ありがとうございます！！ (4月15日 21時) (レス) @page25 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - ナノハナさん» やっくんはカッケェです(真顔)追っかけありがとうございます、こちらも嬉しいです笑！ (4月13日 12時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 更新、ありがとうございます！！！！本当に嬉しいです！！あぁ、やっくんカッケェ… (4月6日 21時) (レス) @page23 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - まあさん» こちらこそ……多すぎる好きの受け止めありがとうございます (3月22日 15時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イルカ | 作成日時：2024年2月19日 21時
