隠さず1 ページ1
ガタンと音を大きく立てて、乱暴に椅子に腰掛ける。そのまま後ろに反り返ると、ニヤニヤと上がる口角を制御しきれない男、黒尾鉄朗と目が合った。逸らしたい気持ちを抑えて、お互いに胡散臭い笑顔を見せる。
「よかったじゃないですかAサン」
「うるさいですわよ黒尾サン」
「頭ポンポンしてもらえてたな」
「ホントにうっさい」
黒尾は、私の気持ちを知る唯一の人物だ。あまりにウザかったら縁を切ろうと思っているが、弱みを握られているため下手に動けない。ちなみに逆らうと、微笑みながら、「ボクは優しいのでバラすなんてそんなそんな......ね?」と脅しを食らう。しんどい。
「今日はなんだって?」
「......頭に、カブトムシがついてたって」
「はぁ? もっとマシな言い訳無いのかよ」
「そしてソイツは私の頭の上で潰された」
「最悪だな」
ゲラゲラと腹を抱えて笑っては、夜久の方にちょくちょく視線をやる。不機嫌そうな夜久の表情を見て、黒尾は一段と笑った。
「あ、こんなところにクワガタが」
「え、嘘......痛っ!? ちょ、なになに」
「クワガタ潰しという名の頭ポンポン」
「普通にぶっ叩いてるわ」
「夜久の匂いはこの疼く右手に閉じ込められた......」
「くそぉ......私がその右手食べてやる......」
「急にコワ」
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イルカ(プロフ) - ナノハナさん» しばらく黒尾カッコ良し男ターンです笑。黒尾のいいところフルで出せますように……! (4月18日 19時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 更新待ってましたぁ!!黒尾、お前は本当にいい奴だよ(涙)更新ありがとうございます!! (4月15日 21時) (レス) @page25 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - ナノハナさん» やっくんはカッケェです(真顔)追っかけありがとうございます、こちらも嬉しいです笑! (4月13日 12時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 更新、ありがとうございます!!!!本当に嬉しいです!!あぁ、やっくんカッケェ… (4月6日 21時) (レス) @page23 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - まあさん» こちらこそ……多すぎる好きの受け止めありがとうございます (3月22日 15時) (レス) id: 627e4a2f4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イルカ | 作成日時:2024年2月19日 21時