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「何で私が生きていると思ったの?」
私はベルモットの頭にP7M8の銃口をつけながら問う。
「ライがNOCだって分かった時からよ。あの場にいた3人中2人がNOCなら、死んだと思われていた2人も生きている可能性が高い…ってね」
「成程。御名答。私もスコッチも生きているわ」
「まさかこんな形で再会するとはね」
「悪いけど、私は貴方と昔話をするためにここに来たわけじゃないわ。…それに、今の私の名前はシンデレラじゃない。緑川、Aよ」
「A…ね。FBIがつけた名前にしてはセンスが良いじゃない」
ベルモットは両手を上げ、反抗する意思が無いことを示す。
しかし、私は彼女へ銃口をつき続ける。
「少しくらいその物騒なものを下ろしたら?」
「その物騒なものを最初に教えてくれたのは、何処の誰かしら?」
ベルモットはため息を付くと、視線だけを後ろに向ける。
「分かったわ。ねぇ、少し彼処にいるシルバーブレッドと話をさせてくれない?」
「シルバーブレッド?…コナンくんのこと?」
「そうよ」
私はコナンくんに了承を取り、近くに呼び寄せる。
「久しぶりだな、ベルモット」
「ええ、そうね。エンジェルは元気かしら?」
「誰だ、エンジェルって」
コナンくんは訝しげな表情をする。
「貴方の可愛いガールフレンドよ」
「蘭のことか。嗚呼、元気だぜ」
ベルモットは安心したように息をついた。
「…そう。それが分かったならもう良いわ。潮時ね」
「案外あっさりと捕まるのね」
私は片眉をあげる。
「何か、もうどうでも良くなっちゃったのよ」
そう言い、ベルモットはニヒルな笑みを浮かべる。
流石はハリウッドの名女優。
何処までも妖しく、美しい笑みだった。
コナンくんは確実に捕まえようと、ベルモットに向けて麻酔銃の焦点を合わせる。
「…私、一度だけ貴方の出演した映画を観たことがあるわ」
「あら、それは嬉しいわ。…どうだった?」
「貴方って、偽物なのね」
私のその一言にベルモットの肩はビクリ、と反応する。
「…ええ。シャロンがクリスになった瞬間から、私は偽物だったのね、きっと」
「そうね。偽物の貴方に相応しい最期じゃない?…さようなら、ベルモット」
私の声が終わる瞬間、コナンくんはベルモットに向けて麻酔銃を打ち込んだ。
ベルモットはその場に崩れ落ち、ピクリ、と動かなくなったのだった。
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莉咲(プロフ) - 因みに私の夢主ちゃんのイメージは黒髪ロングで黒い瞳ですかね。普段はタレ目だけど銃構えたらツリ目なる的な(!?) (2020年11月26日 13時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - すっごく面白いです!この作品を見つけたのは随分前なんですけど、それから何度読み返したか分かりません…!!こんな神作品をありがとうございました!! (2020年11月26日 12時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 了解です (2020年5月31日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - 舞さん» 舞さん、最後まで読んでいただきありがとうございました!続編は今のところ考えてはおりません。申し訳ありません。でも、何かの形でこの物語を広げていけたらとは思っております! (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ゆいさん» 返信遅くなり申し訳ありません。楽しんでいただけたようで何よりです!ひとつお聞きしたいことがあるのですが、ゆいさんの中での主人公はどのような容姿をしていましたか?教えて下さると嬉しいです(*^^*) (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁月真愛 | 作成日時:2020年4月16日 12時