22 コナンSIDE 回想 ページ22
シンデレラ…。
最初にこのコードネームを聞いたのは、ある日曜日、いつもの少年探偵団のメンバーで博士の家で宿題をしているときだった。
「昨日ね、お母さんと一緒にバレエを見に行ったの！」
歩美が楽しそうに話す。
「ばれえって、あのバレーボールか？」
「違いますよ、元太くん。歩美ちゃんの言っているバレエとは、ダンスの方です！」
「悪ぃ、悪ぃ、そういうのあんまよく分かんなくてよぉ」
「あのね、『シンデレラ』っていう演目を見たの！すごく素敵だったんだ！！」
俺と灰原はあいつら3人からは少し離れた場所で座っていた。
歩美の発言に灰原が、明らかに動揺したのだ。
「おい、どうした灰原」
「江戸川くん…。”シンデレラ”って知っている？」
「嗚呼、有名すぎる童話だろ？」
「違うわ」
と、灰原は首を横に振る。
「シンデレラ。オレンジジュースとパイナップルジュースとレモンジュースをそれぞれ同量の分量で合わせたノンアルコールカクテル」
俺は目を見開く。
「あいつらの…黒ずくめの中にいるのか？！その”シンデレラ”が！」
灰原はまた首を横に振る。
「もう、いないわ…」
「NOCだったのか？」
俺がそう尋ねると、彼女の口から出たのは意外すぎる一言だった。
「彼女は…私の、妹だったのよ」
「い、妹？」
「ええ、私は三人姉妹の真ん中だったのよ」
「でも、お前、姉妹は明美さんだけなはずじゃ…」
灰原はやるせない表情を浮かべ、ぽつりぽつりと話しだした。
「あの子は、生まれてすぐに私達家族から引き離されたの。生まれた瞬間から、あの子は異常なまでの美しさを持っていた。それに目をつけたボスが”世界一美しい殺人鬼”に仕立てたいという馬鹿げた願いを抱き、あの子を取り上げて、私達家族から隔離して育てたの。一緒に居られたのは生後一週間にも満たなかったわ」
「それは、ひでぇな…」
俺は思わず絶句する。
まだ生後一週間にもならない赤子を家族から引き離すなんて正気の沙汰ではない。
流石は黒づくめの組織、というところだろう。
「場所を変えましょう」
灰原はそう言うと立ち上がり、地下にあるラボへと向かった。
「悪ぃ、おめぇら。ちょっと下にいるな」
俺は3人に声をかけて灰原の後を追う。
「すぐに戻ってきてくださいよー」
「もうすぐ博士がドーナツ持ってきてくれるよ！」
「早く来ねぇと俺が全部食べちまうぞ！」
俺は3人の声を背中に、足早に地下へと急いだ。
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莉咲(プロフ) - 因みに私の夢主ちゃんのイメージは黒髪ロングで黒い瞳ですかね。普段はタレ目だけど銃構えたらツリ目なる的な(！？) (2020年11月26日 13時) (
レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
莉咲(プロフ) - すっごく面白いです！この作品を見つけたのは随分前なんですけど、それから何度読み返したか分かりません…！！こんな神作品をありがとうございました！！ (2020年11月26日 12時) (レス) id: 0f6e4a6db1 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 了解です (2020年5月31日 18時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - 舞さん» 舞さん、最後まで読んでいただきありがとうございました！続編は今のところ考えてはおりません。申し訳ありません。でも、何かの形でこの物語を広げていけたらとは思っております！ (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ゆいさん» 返信遅くなり申し訳ありません。楽しんでいただけたようで何よりです！ひとつお聞きしたいことがあるのですが、ゆいさんの中での主人公はどのような容姿をしていましたか？教えて下さると嬉しいです(*^^*) (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6e8c5a7bd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁月真愛 | 作成日時：2020年4月16日 12時
