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昴は秀一の姿に戻った。
その姿を見る彼女は相変わらず人好きのする笑みを浮かべたままだ。
「ねぇ、秀一。私、陣平のところに行かないと。」
どこにいるの？と首を傾げる様子はさながら純真無垢な少女のようだ。
きっと、彼女の中では秀一は保護者のような認識に変わってしまったのだろう。
秀一はとりあえずFBIに連絡して腕の良い医者を手配してもらおうと思った。
「A。これを飲んで。」
秀一は彼女に睡眠薬を渡す。
精神錯乱状態に陥ってる彼女とまともに会話するのは困難だと考えたからだ。
彼女が薬を受け取り、飲んだのを確認すると、秀一はリビングをあとにした。
「ええ。なので、至急お願いします。」
秀一は電話を終え部屋に戻る。
その間僅か十分足らず。
「A…？」
しかし、ソファにあるはずの彼女の姿はそこには無かった。
玄関を急いで振り向けば、施錠が解かれていた。
秀一は彼女の座っていたソファに近づく。
「ちっ…。」
秀一は思わず舌打ちをする。
床には飲まれていない白い錠剤が落ちていた。
こんなときに元刑事の裁量を発揮しなくて良いだろうに。
秀一は顔を上げると、階段の方を見上げた。
「これは…。」
彼女が使用していた部屋に入り、秀一は思わず絶句した。
部屋は荒らされ、見るも無残な状態だった。
足の踏み場もない部屋をゆっくりと見渡すと、秀一の視界にはとあるものが目に入ってきた。
「まさか…！！」
秀一が手に取ったのは、ピンク色の携帯。
彼女がかつての恋人と過ごしていたときに使用していたものだ。
二つ折りの携帯は開かれていた。
ボタンを押して、画面を起動させてみると、画面には無数の青い線が表示されていた。
きっと、彼女が強く床に叩きつけたのだろう。
そこから辛うじて残っていた通常の画面から読み取れたのは、とある名前だった。
「松田、陣平…！」
察するに、これは元恋人が無くなる直前に送ったメールだろう。
秀一は目を見開く。
脳内には最悪のシナリオが流れていた。
もし、このメールで元恋人がこの世にいないことを彼女が悟ったとしたら。
あれだけ彼に依存している姿を見せていた現在の彼女が取る行動はたった一つしか考えられない。
でも、何処へ？
この屋敷から逃亡した彼女の居場所を知ることは、今まで敢えて彼のことを聞くことを避けていた秀一には至難の業だった。
急がなければ。
秀一は頭をフル回転させる。
俺は、彼女を、死なせやしない。
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やっち(プロフ) - 終わりですか？ (2022年6月25日 18時) (
レス) @page43 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ayaさん» ハマっただなんて…！嬉しすぎるお言葉です！！これからいよいよクライマックスに迫ってくるので、是非楽しんでくださると嬉しいです(*^^*) (2021年6月14日 7時) (レス) id: e1d6d9168c (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - はじめまして！とても面白いくてめちゃくちゃハマりました！松田さんはどんな気持ちで天国から見てるのか気になります、、（；＿；） (2021年6月13日 21時) (レス) id: 4bc46bbce4 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - 紗那さん» まさかあんな3秒クオリティの前文で興味を持ってくださるとは…！嬉しい限りです！！テスト頑張ります…泣 (2021年5月23日 22時) (レス) id: ffc33c4c65 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ふくろうさん» 先日もコメントをくださってありがとうございました！おあずけしちゃいましたね…笑 是非楽しみにしていてくださると嬉しいです！ (2021年5月23日 22時) (レス) id: ffc33c4c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁月真愛 | 作成日時：2021年5月16日 17時
