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白鳥くんの車は大きく爆発していた。

私は急いで運転席のドアを見る。すると、ドアは開いていた。

「は、離れて…。」

「白鳥くん!!」

白鳥くんは血を流して、道路に横たわっていた。

私達は急いで彼のもとに駆け寄る。

「急いで!救急車を手配して!!」

美和子が高木くんに指示をする。

「でも、喋れてるなら大丈夫ね…。」

美和子が安心したような表情を浮かべて白鳥くんを見た。

確かに頭から血を流してはいるが、意識もしっかりあるようだし、命に別状はなさそうだ。

「いや…これ、多分」

「急性硬膜下血腫…。」

耳慣れない言葉を口にしたのは、哀ちゃんとコナンくんだった。

「早く病院に連れて行かないとヤバいわよ…。」

「そんな…!」

私と美和子は青ざめた。

とりあえず、二次爆発が起きることを危惧して、彼を車から離した。



「これを…貴方に見せたくて…。」

白鳥くんが私に差し出してきたのは、一枚の紙。

「きっと、貴方が完全に前を向くきっかけに、なる、はず…。」

私はその紙を受け取る。

「…!!!」

私は目を見開いた。

「俺は剛球豪打のメジャーリーガー…

さあ延長線の始まりだ…

試合開始の合図は明日正午

終了は午後三時…」

私が読み上げると、美和子が息を呑んだ。

「それって…!!!」

私は続けた。

「出来の良いストッパーを用意しても無駄だ…

最後には俺が逆転する…

試合を中止したくば俺の元へ来い…

血塗られたマウンドに貴様ら警察が登るのを鋼のバッターボックスで待っている…」

私は一気に頭が殴られたような錯覚に陥る。

そして、今まで忘れかけていた感情が一気に戻ってくる。

恨み、憎しみ、怒り。この世の負の感情全てを集めてもまだ足りないくらいの感情。

「こいつ…研二の、陣平の命を奪った男からよ!!!!

美和子、目暮警部に連絡しなさい!!!」

「はいっ!!」

美和子が警部に連絡した。

「絶対に…。今度こそ絶対に逃さない…!!!」

この独特の言い回し。これは模倣犯じゃない。本人だ。

私の大切な人たちを奪ったやつが、またのうのうと挑戦してきやがった。

拳が怒りで震える。

私は手に持った紙をグシャリと握りつぶした。

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やっち(プロフ) - 終わりですか? (2022年6月25日 18時) (レス) @page43 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ayaさん» ハマっただなんて…!嬉しすぎるお言葉です!!これからいよいよクライマックスに迫ってくるので、是非楽しんでくださると嬉しいです(*^^*) (2021年6月14日 7時) (レス) id: e1d6d9168c (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - はじめまして!とても面白いくてめちゃくちゃハマりました!松田さんはどんな気持ちで天国から見てるのか気になります、、(;_;) (2021年6月13日 21時) (レス) id: 4bc46bbce4 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - 紗那さん» まさかあんな3秒クオリティの前文で興味を持ってくださるとは…!嬉しい限りです!!テスト頑張ります…泣 (2021年5月23日 22時) (レス) id: ffc33c4c65 (このIDを非表示/違反報告)
暁月真愛(プロフ) - ふくろうさん» 先日もコメントをくださってありがとうございました!おあずけしちゃいましたね…笑 是非楽しみにしていてくださると嬉しいです! (2021年5月23日 22時) (レス) id: ffc33c4c65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁月真愛 | 作成日時:2021年5月16日 17時

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