【歌い手】死にたがり少女と陽だまり (ページ21)

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カップラーメンページ21

まふまふside

ご飯はどうしようかと考えながら、テーブルの横にバックを置く。
現在時刻は午後８時３０分。
お腹もすいたしさっさとっ作っちゃおう。
カップラーメンでいいか・・・いやいやいや、全然よくない。
女の子なんだから。
そらるさん達が来た時とは訳が違う。
といっても、そらるさんとは外食が多いかな?
って、そんな事どうでもよくて。
どうしよう。

考えていると梨々愛ちゃんが来た。

「真冬さん。どうしましたか?」

可愛く首をかしげながら聞いてくる。
なぜか少しだけ顔が赤い。
本当に可愛い。
僕は頭をなでながら、カップラーメンしかないことを正直に言った。
すると、梨々愛ちゃんはびっくりした顔をした。
そりゃぁびっくりするよね。
僕がはにかみながら笑うと、梨々愛ちゃんは僕が思っていた言葉とは全く違う言葉を口にした。

「私、ご飯いらないですよ。お昼にお弁当食べましたから」

そっか。もうご飯食べたんだ。
だったら食べられないか・・・って、待って。
お弁当食べたのはお昼なんだよね?
なら夜ご飯食べてもよくない?
どういうこと?

「お弁当を食べたのはお昼なんだよね?じゃあ、夜ご飯食べたのは何時?」

僕が聞くと、梨々愛ちゃんは不思議そうな顔をした。

「お昼にご飯食べたのに、夜もご飯食べるんですか?」

ん?どういうことだ?

「え?夜にご飯は食べないの?朝ご飯、昼ご飯、夜ご飯。家庭科で習ったよね?」

ぽかんとしていた梨々愛ちゃんは、少しすると顔を曇らせて、
そういえば、と話し出す。

「そういえばそんなのありましたね。高校入ってから一日一食で・・・。忘れてました」

少しぎこちない笑顔でそう言った。
なんで高校入ってから?って聞こうと思ったけど、すぐに思い出した。
虐待され始めたの、高校入ってからなんだよね。
ちょっと考えればわかったのに。
嫌な思いさせちゃったな。

僕はごめんねっていう気持ちも込めて梨々愛ちゃんの頭をさっきしたみたいになでる。
梨々愛ちゃんは嬉しそうに目を細めた。
僕は気合を入れなおして少し大きな声で

「思い出したならそれでいいよ!でも、これからは一日三食食べようね」

せいいっぱいの笑顔でそう言った。