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梨々愛side


「私は・・・今日お母さんに、家を出てけと言われたんです。
 いつものように暴力を振るわれて、引っ張られて外に出されて、
 大きなバックと一緒に捨てられました。
 

 私・・・まさか自分が捨てられるなんて思ってなくて。
 ドアの前から動けなくなっちゃって。
 自分は必要とされてるって、勝手に思ってたから。
 暴力っていう、とてもゆがんだ形だったけど、お母さんのストレスを解消するために、
 私はっ・・・私は、役に立つことができていてっ。
 ・・・たった一つの、私の居場所だった、なのに。
 



 暴力は・・・3年前くらいからで・・・。
 高校入ってからだったし、お金かかっちゃうから怒ってるのかなって。
 それくらいしか思ってなかった。
 でも、暴力振るわれるようになった頃に、それだけじゃないなって思って。
 怖いけど・・・聞いてみたんです。
 そしたら、あんたなんか産むんじゃなかった。
 とか、うざいからもうここにいてほしくない。死ね。
 とか。
 いっぱい言われました。
 申し訳なくて・・・っ。
 私なんかが生きてるからっ。
 私がいなくなったら、お母さんは幸せになれたのにっ。
 私のっ、私のせいでっ」



私はもうこれ以上しゃべれなかった。
思い出せば思い出すほど涙があふれてきた。


真冬さんは何も言わずに私の話を聞いてくれた。
 

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作者名:未零 | 作成日時:2018年9月5日 21時

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