【歌い手】死にたがり少女と陽だまり (ページ2)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:24,661 hit

私の日常ページ2

梨々愛side

ガンっ。
頭に鈍い痛みがはしる。
でもあまり痛くはない。
これくらい慣れっこだ。

ガンっ。ドスッ。
また頭を殴られ、おなかも殴られる。
さすがにこれは痛い。
呼吸ができなくなる。声が出ない。
代わりに、ヒューヒューと変な音が出る。
私を殴っていた人・・・母は、それで満足したらしい。
殴るのをやめ、私を引きずり外に出す。

ドサッ。
何かが倒れる音がする。
なんだろう?
・・・あ、私が倒れたのか。
やっと理解する。
空はまだ明るかった。

それから１０分くらいたち、怖いけど、このままだと風邪をひくので中に入ろうとする。
元気な時に殴られるより、だるい時に殴られるほうが辛いのだ。
はぁ。と、ため息をつきながらドアノブにてをかける。
ガチャ・・・?え・・・開かない。
ガチャ。もう一度やる。やっぱりダメだ。
どうしよう。家にいるのも怖いけど、家に入れないのも・・・どうすればいいのか。

その時、ドアが開いた。
思い切り顔にあたる。上から声が聞こえる。
「はぁ。まじでどんくさい・・・」
私はつい癖で、
「ごめんなさい」
という。すると、上から何かが落ちてきた。
大きなバックだ。
意味が分からず、母の顔を見る。
母が言う。
「謝るってことは、自分が悪い子だってわかってるんだよね。じゃあさ・・・

　出てってよ」

その言葉は、私に重くのしかかった。