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Aside
さらさらと、風が黒髪を弄ぶ。
もともとインドア派の私には、朝の太陽は眩しすぎる。
もう少し違う場所にしてくれればいいのに、と場違いなことを思った。
女1《私らさぁー、あんまチョーシのんなって前に忠告したじゃん？》
バカの一つ覚えみたいにまた私を取り囲んだ彼女たちは、ご丁寧に屋上の鍵を閉めてからそう切り出した。
おかげでこの場所には私達以外誰もいなくて、彼女たちが望むシュチュエーションの完成ってわけだ。
女2《自分が特別だとか思わない方がいーよ？あんたみたいな女、どうせすぐに飽きて捨てられるわ》
女3《てゆうかあんたより私たちの方が玄樹先輩の事とかよく知ってるしー》
女1《抱いてもらったことだってあるんだからね！》
バサバサバサバサ、今日も人工まつげが重そうに動いている。
この子達は私に一体何を伝えたいのだろうか。
悪いけど私は岩橋先輩に恋愛感情など持ってないし、彼らが誰とどういう関係になっていようが興味すらない。
"抱いてもらった"など言われても、彼らの株が私の中でさらに落ちるだけだ。
女1《喋らないってことはー、あんたまさか抱かれたことないのー？やっばー笑》
女2《それってからかわれてるんじゃん？笑》
女3《ま、真面目っ子って弄りがいあるしねー笑》
女1《目障りなんだよねー。色んな男に媚び売ってサイテー。》
楽しげに言葉を続けてくれるけれど、見当違いもいいところだわ。でも、
『…媚、ですって？』
冗談じゃない。
『悪いけど、貴方達と違ってあんな男達に興味なんてこれっぽっちもないのよ』
この一言で彼女達の余裕そうな顔がみるみると怒りの顔へと変化していった。
ああ、また油に火をつけてしまったのかしら。
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作者名：S/G | 作成日時：2015年11月24日 13時
