君の本当の笑顔を見るために. . . JiguIwa (ページ25)

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Aside

会話もないまた、岸くんと2人で家までの帰り道を歩く。
学校を離れてしばらく経つけれど、お互いにずっと無言のまま。
めんどくさそうにポケットに手を突っ込みながら歩く岸くんの後ろ姿を見つめていた。

岸「…Aってさー」

話しかけられるなんて思っていなかったから、急なことに少し肩がビクッとしてしまった。
そんなこと、彼は気づいていないだろうけど。

『…何？』

岸「その態度、どうにかなんないかな？送迎させられる俺のみにもなれって」

『生まれつきこんな態度よ。それに嫌なら送迎してくれなくてもいいわ。1人でも大丈夫だもの。』

"生まれつき"、なんて。自分で言ってて笑ってしまう。

岸「…可愛くない女だねぇ。こんな奴選ぶいわげんの趣味がわかんねー」

がしがしと、短髪のその頭をかく。

『…私にも、わからないわ。こっちが聞きたいくらいよ。』

そこからは、またなんの会話もなくて。
彼が再び口を開いたのは、マンションの前に着いてからだった。

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