黒と蝶4【伏黒恵】

3話 ページ4

思い出した時、トイレに駆け込まずにはいられなかった









複雑に絡まる思いも、あの風景も、あの匂いも全部気持ち悪くて









胃の中の物を全て吐き出した









「A、ごめんな、今日は止めにしようか」









暫くして、落ち着いてから行くと、凄く申し訳なさそうに言われた








「……いいの、自分が知りたいって言ったから。続けて。」









「辛い話になるかもしれないよ」









「大丈夫、さっき覚悟は決めてきた」









もっと何かがあるんだろう









それは、おじいちゃんの顔を見て感じていた









今は気持ち悪さより、知りたさの方が大きかった









「Aの力は『黒死蝶』というんだ」









黒死蝶……？









「実は、この家の相伝の術式なんだよ」









相伝って、








前、五条先生が恵の術式についてそう言ってたな………








代々家柄に伝わる凄い才能だっけ……









って、私それなの？！？！









「当主が持っている術式なんだ」








そう言うと、おじいちゃんの後ろに大きい青い蝶が現れた








ヒラヒラと綺麗に舞っている









「ここからが本題だ」









ふー、とおじいちゃんは息を吐いた








真っ直ぐ目を見つめてくる









「その術式を持つものは、20までは生きられない」

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