黒と蝶4【伏黒恵】

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「恵？今日何かソワソワしてない？」









「別に……」









恵と部屋で勉強してる時に恵の様子が少しおかしいことに気づいた









「何か用事あった？」








「いや、何でもねぇよ」









？？









取り敢えず、数学の問題を早く解こうっと









「……A」









「なあに？」









顔を上げると視界いっぱいに恵の顔があって








「わっ！」







びっくりしてしまって押し返してしまった









「……悪ぃ、」







「ごめ、」








パッと恵は私から離れた








気まずい空気が流れる








「お前が嫌ならもうしない」









ふいっと顔を背ける恵









もしかして、








キスしようとしてくれたの………？









「……野薔薇になんか言われた？」









「……このままじゃ飽きられるって」









あぁ、なるほどな








野薔薇よ………









「ほんとは、キスとかしたいし、もっと触れたい。でも、何処まで手ぇ出していいのか分かんなかった」









恵、耳まで真っ赤だ……









そんなこと考えてたんだ









「……いいよ、恵なら」








「……本当に大丈夫か？」









「うん、びっくりしちゃっただけだし……恵、そういうの興味無いと思ってたから」









本当は少女漫画みたいなキスに憧れていた









甘くてドキドキすることに憧れていた









けど、恵は興味無さそうだし、嫌がりそうだから









お願いすることもアレだなぁと思って









一緒にいられるだけでいいやと思っていたのだ









私はそっと恵を抱きしめた









「我慢しなくていいよ、恵のこと好きだし」









「……優しくする」









私はゆっくりと堕ちていった

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