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16話 ページ17

「……眠れないの?」




「………あぁ、ちょっとな……」




あの後、全員でマリカーをひたすらやり




結局リビングで寝落ち、雑魚寝状態になった




何だか落ち着かなくてベランダに出ていたら




黒羽に声をかけられた




「……お前もか?」




「んー、私は勿体なくて寝れない、かな?」




「勿体ない?」




黒羽は少し目をを伏せた




「だって、もう少ししたら、伏黒君たち帰っちゃうから、寂しいなぁって」




「LINEすればいいだろ」





「まぁ、それもそうだけど、あんなに笑ったの久しぶりで」




「……お前、友達いないのか?」




「いるよ!失礼な!」





むっと頬を膨らます黒羽



………可愛い




瞬時にそう思った





そして少しおかしくて笑ってしまった





つられて黒羽も笑う




「……私さ、小3の時、両親事故で無くしたんだよね。……よく覚えてないけど」




「そう、なのか」




「あ!暗い話じゃないの!全然!ただ、その頃から上手く笑えないっていうか、なんというか………」






俺にはその気持ちが分かる気がした






俺も津美紀が意識不明になった時、そうだったから





何も感じなくなった





「でも、不思議と今日は、心から笑えた気がしたんだー。何でだろうね。」






「勘違いだろ。何も特別なことしてねーし」






「伏黒君は、冷静だなぁ………でも、優しいね」






「は?」






「こうやって話聞いてくれるじゃん」






「それは、………お前が話すから」





「うん、でも、伏黒君は目に優しさがあるよ」





そう言ってじーと目を見つめてくる




「……っ!……意味わかんねぇ」





気恥しさで目をそらす




「おっ、割とまつげ長い」




「うっせぇ、見んな」




「照れてる〜」




「うっせぇ!」





あはは、と笑う君に





心臓が高鳴る俺がいた









星の綺麗な夜だった

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作者名:ミトコンドリア | 作成日時:2021年2月19日 19時

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