癒し🧡 ページ6
寝ようと寝室に入った瞬間
インターホンが鳴った
「誰...。こんな時間に...」
恐る恐るモニターを見ると
「康二くん！？」
仕事遅くなるから今日は行けないって言ってたのに
「どしたの！？」
「Aー。開けてぇ」
急いで玄関に行き鍵を開けると
なだれ込むように入ってきた康二くんに
ガバッと抱きつかれた
「おぉ！どしたの？？」
「んーーー」
お酒の匂いもしないし酔ってる訳ではなさそう
「寒いからとりあえずあっち行こう」
絡み付かれたまま一緒にリビングに入り
2人してソファに座る
「なんか飲む？コーヒー入れよっか」
立ち上がろうとすると
無言でぎゅっと抱き締められ身動きが取れなくなる
これは、何かあったやつだ
康二くんが気が済むまでこのままでいよう
背中をトントンしたり頭を撫でたり
何があったかは気になる所だけど
聞くのは今じゃない
「なぁ。俺、やっぱあかんわ」
「何がダメなの？」
「Aがおらんとあかん」
「んー？私はここにいるよ」
「それは分かってんねん。」
「分かってるのか笑」
「...この匂い好きや」
「お風呂入ったからね」
「ちゃうねん。
Aの匂いと混ざったこの匂いがええねん」
恥ずかしいけど、ここは耐えて「そっか」と答え
また康二くんを撫でる。
しばらくそうしていると
「あんな、今日上手いこといかんかってん」と
今日の収録で上手に話せなかったと話してくれた
「そっか、それは悔しいやつだ」
「うん」
「私は康二くんの凄いと思うよ」
「すごないよ、上手くできひんかったし」
「私も仕事で沢山の人の前で話す事あるけど
あんなに上手に話できないもん。
声震えるし毎回噛んじゃうし」
「そうなん？」
「そうだよー？毎回、康二くん凄いなぁって思ってる」
会社勤めの私と康二くんの仕事は全然違うけど
緊張しやすい私は本当に康二くんが凄いと思ってる
撮影の時もそうだし、ライブで沢山の人の前で
あんなにかっこよくアイドルしてて
「康二くんのこと尊敬してる」
「Aー！」
「こ、康二くん！痛い笑」
「ご！ごめん！力入れ過ぎたわ笑」
強く抱き締められた私の体を擦りながら
「大丈夫？」ってちょっと笑いながら聞いてくる
「やっと笑った笑」
「せやな笑」
「コーヒー飲む？」
「いや、風呂入るわ」
「え？」
「泊まってくわ」
「え、あ、そうなの？」
「うん、そうなの」
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作者名：りんこ | 作成日時：2023年12月16日 4時
