addict 3 (ページ33)

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恋模様ページ33

昼間晴れてたのにな、雨降りそうー
外に出ると雨が降る前のような空と空気の感じ
スマホで調べると雨予報になっていて
雷を伴う激しい雨になる所も。と書いてる

『こりゃあかん』

スマホ画面を切り替えて通話ボタンをタップする

「はーい」
『もっしー？なにしてるー？』
「何もしてないよ？しいて言えばゴロゴロ？笑」
『はは笑最高じゃん笑今から行ってもいい？』
「あれ？仕事は？」
『今日はもう終わったー』
「そうなんだ！お疲れ様！いいよ、来て来てー」
『ありがとう！今から行くねー』

Aの家に行く途中でパラパラと降り出した雨
このくらいでおさまってくれるといいけどと思いながら
車を走らせた

"ピンポーン"
「はーい」
『着いたぁー』

ガチャっとロックが解除され出迎えてくれる
「わ！濡れてんじゃん！雨降ってんの！？」
『降り出したよ、小雨だけどね！』

Aが持ってきてくれたタオルでゴシゴシと拭いて
上着をハンガーにかける

「さっくんが急にくるとか珍しいじゃん」
『めっちゃ面白いアニメ見つけてさ！』
「え！そうなの！？なになに？」とキッチンから戻ってきた
Aは暖かいカフェオレを持ってきてくれた
『お、ありがと！これなんだけどさ…』

お勧めのアニメを一緒に見ていると家の中でも分かる雨音
「強くなってきたね、雨」
『だねー』
「暗くなってきたからカーテン閉める」
「わー、凄っ」と外を確認して直ぐにカーテンを閉めた

『はい、続きみるよ！』
「あ、うん」

シリアスな所もあったり
ギャグっぽい所もあったりするアニメを見てると
カーテンの隙間からピカっと差し込む光

「わっ！」と声と共にAの体が揺れ
ドーンと音に近い雷が鳴り響く

「っ！！」
『大丈夫っ』

耳を塞いで膝を曲げて小さくなるAの背中を撫でる
ピカっと一瞬光るけど目を閉じてるAには見えてなくて
音が鳴る度にビクッと震える
Aの体を俺の方に寄せて『大丈夫、大丈夫』と
背中を撫でて落ち着かせる

子どもの頃、1人で留守番をしてた時に
凄い雷が鳴ってそれからのトラウマらしく
Aは雷が苦手になったらしい

「ぁー、ほんとやだ…」
『嫌だよねー』

雷が少し落ち着いて来たタイミングで
「ごめん」と顔を上げた瞬間光が差し込み
「あ！」と俺の服を掴んで胸元に飛び込んできた

「ほんと、ごめん」
『いいよ、耳塞いだげる』

耳を塞ぐように包み込む