addict 3 (ページ32)

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立ち入り禁止ページ32

「絶対入ったらだめだよ」と言われた
Aの部屋の前に待つ俺

大好きなAがインフルエンザになってしまった

「ごめん、インフルだったー。うつしてないといいけど」
『看病するよ！俺！』
「何言ってんの？うつったら仕事どうするの？
みんなに迷惑かけるんだよ？
ファンかどれだけ心配するか分かってんの？
大介にうつすとかありえない」って
すんげーはてなマークで攻め立てられた。

風邪ひいたって分かってから
「今日から私は隔離されます！」って閉じこもって
病院でインフルって言われて
さっきのLINEが送られてきた

「欲しいものあったら連絡するから」
って言ってるけど同じ家に居て何も出来ないって…

部屋に籠る前に
「家の事出来なくてごめんね、1人で大丈夫？」って
自分の体調より俺の事心配してくれてたけど
俺めっちゃ元気だし！

目の前でしんどそうなの見るのも辛いけど
見えない状況でしんどいの分かってるってもっと辛い
ドアの向こうで苦しんでるって思うと
泣きそう…

『ご飯食べれる？』「今はいいかな」
『飲み物ある？』「あるよ』
『冷やすやついる？』「それはほしい」

文面からもしんどいのが伝わる

ドアの前に行き声をかける
『A冷たいの置いとくよ？』
「ありがとう」

声ちょっと枯れてる

『A…』
「大丈夫。2.3日で落ち着くから」

それでも俺は仕事があって出ていく前には
ドア越しに声をかけて
帰る前にLINEして

会えなくなって5日目
元気になってきたらしく
夜になると毎日テレビ電話をしてる

『大丈夫？』
「もう熱もないし大丈夫だよ！とにかく暇笑」
『そりゃ暇だよねぇ。後ちょっとだよ』

今日はAが決めた隔離期間が解除される日
「ただいまー！」
『おかえり！』

玄関まで迎えに来てくれたAを抱き締める

『Aだっ！』
「そうだよー笑」
『会いたかった』
「私も！ごめんねー」
『元気になって良かったぁ』
「移してなくて良かったぁ」

「リビング行く前に手洗いうがい！」って言われて
手洗いうがいを済ませてリビングに行くと
テーブルに並べられたご飯たち

『俺の好きなのばっかりじゃん！』
「作れなかったからねー、いっぱい食べて」

今までの日常が戻ってきたのがすげぇ嬉しい

『ありがとう！』
「どういたしまして！」
『痩せたよね？Aこそいっぱい食べな！』

大事な人が元気でそこに居てくれるって
凄く有難い事なんだって身に染みて実感した数日だった

『A、元気で居てね』

END