addict 3 (ページ4)

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「忘れもんない？」
「うん」
「まぁ、あったら取りにくればいいし」
「あ、鍵、返すね」
「うん」

「本当にお世話になりました」
「こちらこそ、飯とかありがとうな」
「ちゃんと食べなよ？」
「分かったって」

「じゃあ行くね」
「んー、またな」
「またね」

バタンと戸が閉まる音が静かになった俺の部屋に響く

「行っちゃった...」

音信不通になった理由を聞いた日から
よそよそしさもなくなって
あいつが来てからの中で1番楽しい数日だった

学生時代に戻ったみたいで
楽しかったし、嬉しかった。

Aが引っ越してから頻繁に連絡した
あいつ連絡してこないから。

「しろよ」って言うと
「忙しかった」とか
「翔太も忙しいでしょ？」って

連絡が断たれないように理由をつけて連絡をした

それから1ヶ月程して
久しぶりにキッチンに立つ

「ちゃんと食べなよ」って言われた事を
今更実行しようと思って

何を作るってあてもなく
とりあえずまな板を出そうと
扉を開けると見た事のない箱があった

「あいつの忘れもん？」
箱を取り出し蓋を開けると

"翔太へ"と書かれた封筒

Aの字だ

その場で封筒の中を取り出すと手紙が入ってて

その場で目を通しリビングへ走り出した

スマホを取りすぐにあいつに連絡した

「おい！」
「な、何いきなり、ビックリするじゃん」
「なにあれ！」
「えぇ！？」
「手紙だよ！キッチンにあった！」
「やっと作る気になったの？笑」
「お、お前！なんなのまじで！！」

手紙の内容は
"翔太でも作れるレシピ"と見出しがあって

必要な材料から切り方、焼き方が丁寧に書かれてた

重要なのは最後に書かれてた文章

"あの時は逃げてごめんね。
翔太が好きで
自分の知ってる翔太じゃない事受け入れられなくて
かと言って
思いを伝えればあの時の関係が壊れるんじゃないかって
思って勝手に逃げた。
連絡くれてたのにごめん。

翔太んちで過ごしてあの時に戻れた気がして
嬉しかったよ。
受け入れてくれてありがとう。
大好きだったままの翔太で良かった。"

「好きってなに！？大好きだったってなに！？」
「...そのまんまだよ」
「はぁ！？もう...なに...」
「ごめん、やっぱり困らせたよね笑」
「びっくりしただけだし！てか
俺も好きだったし...」

「え...」
「つーか！今も好きだし！」
「...」
「お、おい、何か言えよ」