14 ページ3
やっと聞けた音信不通の理由
なんだよ、まじで
「でも、卒業するまで普通だったじゃん」
「あー、あれは頑張ってた」
「頑張ってたってなに」
「心の葛藤？と頑張ってた」
「意味分かんないんだけど...」
仕事してる俺を見て
俺が俺として見れなくなってたって事？
分からん
「え、それで卒業してから
連絡絶ったってのは卒業したら離れるしって？」
「...そう」
「はぁ...」
「連絡先は消してなかったんだな」
「え、あ、うん...」
「とっくの昔に消されてると思ってたわ」
「私も消されてると思ってた」
「消さねぇし」
高校生の頃の友達は？って聞かれたとしたら
Aは上位にいるよ
思い出は？って聞かれても
その中にもお前は居るし
「ばかだよ、ほんと」
「ごめんてば」
「ばーか」
「もう！そんな言わなくても...
でも私が悪いか」
ははって申し訳なさそうに笑う
「こっから出てってた後どうすんの？」
「え、普通の日々に戻るけど...」
「じゃなくて！連絡！」
「あ、連絡...」
「お前の事助けたの誰だったかなー？」
「...」
「命の恩人だよな、俺」
「うん」
「じゃあ、連絡絶つな」
「...」
「返事は？」
「はい」
「よろし」
このまま終わりなんて嫌だから
なんて言う恥ずかしい言葉は言えなかった
翔太から言われた事
嬉しかった
本当はこのまま連絡しないつもりだったから
翔太の人生に私は居ていいんだって
勝手に思っちゃったりしてる
「なにニヤついてんの？」
「ニヤついてないし！」
「口角上がってたよ」
「上がってない！」
「はいはい、そうやって必死な時は嘘ついてる時ー」
引っ越し直前でやっと普通に
昔からの友達のように話ができた気がする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんこ | 作成日時：2023年12月16日 4時
