addict

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何で私？
大介が頑張ったから今の大介があるのに

「なんもしてないけど 笑」
「笑ってたら何とかなる」
「え？」
「Aが俺に言った言葉」

ごめん、全く記憶にない…

「覚えてないだろ」
「はい…」

そんなに笑わなくても良いでしょってくらい
やべーって大笑いしてる

「じゃあさ、俺がプリント届けなくていいって言ったの
覚えてる？」
「それはもちろん覚えてる」

あの時は「わかった」ってすんなり言ったけど
本当はめっちゃくちゃ悲しかった
忙しくなる大介と唯一ゆっくり話せる時間
分からないって頼られるのも嬉しかった
自分だけの役目だと思ってたのに

「あん時さー」
「なに？」
「本当は心配だったのよ、Aが」
「どういう事？」
「俺帰ってくるの遅いのにそれに合わせて
持ってきてくれるから」
「うん」
「夜道に女の子1人歩かせて帰るの心配で」
「家めっちゃ近いじゃん」
「だからだよ、A送らせてくれないじゃん」

ちらっと大介を見ると
「昔から頑固だからー」ってまっすぐ前を見て運転してる

「あん時寂しかった」
「え！？」
「プリント届けるの私の役目だったのに」



「あ、あれ以来だよね、まともに話しなくなったの」
「うん、私嫌われたのかと思ってた」
「それは俺の方だし！」

私が大介を嫌うはずないじゃん


あの時素直になれなかったばかりに
数年間、話も連絡もせず過ごしてきた

ただお互い変に勘違いしていただけ


「はぁ〜」と大きなため息が出る

「どした？」
「いや、子供だったなーって思って 笑」

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