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(国木田目線)
現在__
俺は今、何故か墓に来ている。
俺の他にも敦やら谷崎やらがいてあの乱歩さんまでもいる。
全員見ている先は同じ。
墓に縋り付くようにして泣いている少女を見ていた。
少女の名は三ツ扇黎霞。
14歳にしてポートマフィアの歴代最速最年少幹部総長を務めている。
泣いている三ツ扇の横で三ツ扇を慰めるようにして座っているのが俺達の仲間のひとりである太宰治だ。
太宰はいつもちゃんとしないしサボってばかりだが三ツ扇のことが関わってくると人が変わったようにちゃんとし始める。
乱歩さん曰くドシスコンだからな、とのこと。
三ツ扇が俺達も来るか誘ったことにも驚いたが、三ツ扇の服装にも驚いた。
いつもとは違う、太宰の服装をスカートにしたかのような服装だった。
緋色の太宰とは色違いのループタイをつけ、砂色の外套を着ていた。
「……治」
いきなり三ツ扇が太宰の名を呼ぶ。
その声は殺気がこもっていて冷たい。
「嗚呼。……安吾、何故ここに来た?」
いつの間にか後ろに立っていた坂口さんにいつの間にか坂口さんの前に立ってメスを向けていた太宰。
いつもなら止めていたが今は止めない。否、止めることが出来ない。
「……親友の墓参りをしてはいけませんか?」
坂口さんの言葉に墓の方から尋常な量の殺気が感じ取られる。
三ツ扇だ。この量の殺気でまだまだ本気の殺気では無いというのだから恐ろしい。
「…黙れ。お前が織田作の親友を語るな。織田作を殺したくせに」
恨みのこもった、否、恨みしかこもっていないような声で三ツ扇が坂口さんに向けて言う。
坂口さんの表情や太宰が三ツ扇と同じくらいの殺気を出したことから嘘ではないのか、と思ってしまう。
「……君からのプレゼント、捨ててないよ」
ふと、三ツ扇が言う。
太宰に隠れているため表情は見えない。
「……捨てれないんだ。何故か。まぁ、使ってはいないのだけれど。」
坂口さんが目を見開いている。
プレゼント、とはなんのプレゼントだ?
「黎霞。帰ろ?」
太宰が非常に優しい声で三ツ扇に声をかける。
太宰は三ツ扇に対してだけ異常なまでに優しく接している。
否、過保護なだけかもしれんが。
声も、態度も、凡て三ツ扇に対してだけは異常なまでに優しいのだ。
「はぁい」
また三ツ扇も太宰にはあまり逆らわない。
互いに互いを愛し、互いに互いの愛を受け止める。
ふたりがあんな関係でいられるのはこういうものがふたりの間で成り立っているからなのだろうか。

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夢月(プロフ) - ナタデココさん» え?…そうだなぁ。……秘密← (2018年8月13日 21時) (レス) id: b4076c16e3 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 夢月さん» ゆっきーの中の珞は一体どうなってるのだ← (2018年8月13日 21時) (レス) id: 4e6fcb83e7 (このIDを非表示/違反報告)
夢月(プロフ) - ナタデココさん» www (2018年8月13日 9時) (レス) id: b4076c16e3 (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココ(プロフ) - 闇を抱えてそうな年中さんとは← (2018年8月13日 8時) (レス) id: 4e6fcb83e7 (このIDを非表示/違反報告)
夢月(プロフ) - クシナデソーマさん» バカじゃないですドアホなんです← (2018年8月13日 1時) (レス) id: c2ae66b8a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢月 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年8月4日 14時

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