[文スト]森さんの娘ちゃん (ページ5)

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忠誠生誓[_チュウセイヲチカウ_] ページ5

『何しに来たと聞いているんだが？』
Aが苛立った声で与謝野女医らに問う
晶子「なァに…勧誘だよ」
『ふざけるな…ふざけるな！5年前私を追い出したのは君達だろう?!私はもうポートマフィアの人間だ！探偵社如きに行くわけないだろう?!』
治「…A嬢…貴女は以前、私はポートマフィアに忠誠を誓っている。と言ったそれは本当かい？」
『…ああ、本当だよ』
治「周りの人から見たら明らかにポートマフィアには誓っていないのだよ」
『…なら、誰に誓っていると？』
乱歩「………フョードル・ドストエフスキー…」
『…』
江戸川の呟きに対し、無言で太宰へ鋭い瞳を向ける
Aの無言は肯定を意味する。
要するに、Aはフョードル・ドストエフスキーに忠誠を誓ってるということだ
治「これはまた…厄介な奴に忠誠を誓ってるね」
『…。まぁ、ね』
晶子「良かったら出会いを聞かせてくれないかい？」
『いやだよ。それに…もうすぐ迎えが来るようだ』
Aがクスッと笑うと同時に、地下室の扉が開く
？「よォ…うちのお姫様を返してもらおうか？」
来たのは中原、斎藤、幸田の3人である
露伴「久しぶりですね。福沢殿」
諭吉「そうだな…幸田さん」
『じゃあね。私は帰らせてもらうよ』
いつの間にかピッキングをして外していた鎖を見て、国木田は目を見開き、与謝野は透き通る綺麗な瞳でAを見つめ、江戸川は何かを考え込み、太宰はため息をついた
治「幸田さんと私直伝のピッキングだからね…解けないものなんてないさ」
そう。呟いていたのを国木田以外が聞いていた
そうして帰ってきたポートマフィア。
Aは自室(と言っても森鷗外と同室だが)にて自分の本心に関して考えていた
Aはフェードルに忠誠を誓ってはいるが死の家の鼠に入っているわけではない
故に死の家の鼠と戦争になったらどちらの味方になればいいのか分からないのだ
Aが死の家の鼠からのスパイだとしたら死の家の鼠側につくべきであろう。
だが、そうではない。フョードルに忠誠を誓っているだけのポートマフィアの首領令嬢なのだ
そして、そこにさらに武装探偵社が関わってきたらどうしたらいいのだろう
太宰が言い当てたようにAは武装探偵社に強い恨みをもち、探偵社を忌み嫌っているが心の底では仲直りしたい、と思っているのだ
まぁ、それでも探偵社側につくことはないだろう…よっぽどなことが無い限り
『……私はどうしたらいいんだ』
その呟きを森鷗外が聞いていたのはまた、別の話だ。