46話 ページ46
ー数日後ー
川久保さんから記者の話を聞いてから数日後。
家に帰って今日は珍しく帰ってきてないなと気がついた俺は信じられない光景を目にすることになる。
いつも以上に綺麗な玄関。
曇りひとつない鏡。
Aのものが何一つない。
異変を感じた俺はリビングのテーブルを確認すると、そこには。
合鍵、付き合い始めた時に渡したブレスレット。この前渡したネックレス。
それと、今までありがとう。さようならと書かれた紙。
、いや、意味がわからない。
喧嘩も特にしていなかったし、
え、なんで?
この間だって、楽しく誕生日過ごしたし。
、心がざわざわしても頭は何故か冷静で、早くどこにいるか探して理由を聞かないとと思っていた。
紙に付いている涙の跡。
Aが俺のことが嫌いで出ていったわけではないということはわかった。
とりあえず、えっと。
電話。うん。電話しよう。
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ーあなたsideー
結弦くんの家を出てから1週間。
不幸は止まらず、私を襲ってきていた。
「Aちゃん、ベースメイク部門に異動になるって本当?」
「あ、うん。なんか向こうのリーダーに昇格になるっぽくて。」
地位とかそんなのどうでも良くて私は美肌のために働いていたいのに。
「おめでとうでいいんだよね?」
困らせちゃダメだよね。
「うん。ありがとう。」
「あ、そうだ。えっと、。アンバサダーさん。知り合いなんだよね?」
え?
「う、ん。まあ。」
「猫飼ってるって知ってた?」
え、猫?
あの後飼い始めたのかな?
「飼ってないと思うけど。」
「このインタビュー記事読んで。」
インタビュー記事?
Q最近あった印象的な出来事を教えてください。
A最近大事にしてた猫がいなくなっちゃったんですよ。自分から戻ってきてくれたら良いんですけど。
Q猫、飼ってるんですか?
Aあ、すいません。夢の話です。でも、猫派なので。猫飼いたいですね。甘えてきたら可愛いんだろうな。
これって。
「いつの記事?」
「えっと、取材日書いてあった気がする。」
あ、ほんとだ。
2日前?
これって私のこと?
「Aちゃん?大丈夫?」
「あ、うん。、猫、好きなんだね。」
「みたいだね。あ、でもさ。ここ見て。笑顔が好きですって書いてあるじゃん。猫って笑うっけ?」
やっぱり、私のこと?私の笑顔、好きって言ってくれた。
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作者名:かれん | 作成日時:2022年9月8日 16時