44話 ページ44
「ごめん。気使わせて。」
「怖かったよね。大丈夫？」
怖かったというか。
「迷惑かけちゃうんじゃないかと思って。」
「顔色真っ青じゃん。自販機でお水買ってくるよ。ちょっと待ってて。」
「あ、奏。大丈夫だから。私、帰るね。本当に大丈夫だから。」
裏口から入ろう。さっきの人まだいるかもしれないし。
「待って。Aが２回大丈夫って言う時は、大抵ろくなこと考えてない。どうするつもり？」
なんで、奏はなんでも気づいちゃうんだろう。
「奏、ごめん。動物園の話無かったことにしてもらえるかな？この状態で行くのは、ちょっとリスキーだから。」
「それはそう思う。、まさか、別れるつもり？」
「、、嫌だけど、こういうことが起きたらそうしようって前から決めてたから。、迷惑かけたくないし、重荷になりたくないの。」
結弦さんは優しいから、きっとどうにかしようと頑張ってくれる。
でも、仕事以外に頑張らなきゃいけないことがあると、きっと大変だから。
一生懸命頑張ってるんだから、私が邪魔しちゃダメだ。
「とりあえず、家の前まで送る。ちゃんと考えなよ。Aはそれで良いのか。」
「うん。ありがとう。」
ーーーーーーーーー
ー大雅sideー
「大雅さん、おはようございます。ちょっとお話があるんですけど、良いですか？」
話？深刻そうな顔してるし、患者のことか。
今、そんなに大変な患者いたか？
「どうした？何かあった？」
「Aのことなんですけど。」
え、A？
「週刊誌が嗅ぎつけてて。」
、え？
「ちょっと、待って。大和も呼ぶから。先にカンファルーム行ってて。」
ーーーーー
「で、どういうこと？何があった？」
「実は、一昨日住んでるマンションの近くでAが男の人に話しかけられているのを見つけたんです。」
もしかしてそれが週刊誌の記者？
「心配になって話しかけたら、俺のことを彼氏だってことにして、週刊誌の記者から逃げて。」
「Aの様子は？結構繊細だから、傷ついたんじゃない？」
「いや、むしろ強かったです。」
え？
強かった？
「顔色は悪かったけど、気丈に振る舞ってました。、それで、別れるって言ってて。」
別れる？
、まさか。
「週刊誌の件、奏の仕業じゃないよな？」
都合よく通りがかったみたいだし、この間何か企んでたし。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かれん | 作成日時：2022年9月8日 16時
