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43話 ページ43

ーあなたsideー





綺麗なネックレス。




「ありがとう。結弦さん、大事にするね。」





「うん。あとさ、いい機会だから、その呼び方変えてみない?」





呼び方?


えっと、




「俺もAって呼んでるわけだし、結弦でいいよ。」






「ちょっといきなりそれは。」





せめて。





「結弦くん、でどう?もうワンクッション欲しいかなって。」






「んー、まあいっか。ちゃんと呼んでよ。」





「うん。」





こうしてその日は幸せに過ぎていった。



でも、もちろん幸せがあればその逆も。




「あの、聞いてます?」




私は、仕事帰りに週刊誌の記者につかまっていた。






「あなたと羽生さんが同じレストランに入って行くところを時間差で目撃したんですよ。おまけにここにも住んでいる。これって偶然じゃないですよね。お付き合いされているんじゃないですか?」





どうやって隙をつけばいいんだろう。



あ、そうだ。





「あの、おまけにここにも住んでいるってどういう意味ですか?」






「え?」





「え、だって。このマンション何かあるんですか?」






これで私何も知りませんアピールになるはず。





「なるほど。じゃあ、質問を変えます。このマンションにプロフィギュアスケーターの羽生結弦さんが住んでいるんですけど、ご存知ですか?」






「羽生さんのことは知っていますが、このマンションに住んでいることは知りませんでした。」





「そうですか。、面識はありますか?」




これはなんて答えるべき?





あ、これ。




引っかけ問題かも。

ありませんって答えさせて、対談動画っていう反例をあげて嘘をついた理由を追求するつもりかも。




「あります。2回ほどお仕事でお会いしました。」





「なかなか引っかかってくれませんね。」






「あれ、A?」





え?





「奏。、あ、すいません。彼氏来たんでもう良いですか?失礼します。」





良いタイミングだった。奏、ナイス。






「ちょっと、A?」





「奏、ごめん。ありがとう。」






奏が通りがからなかったら、もっと質問攻めにされてボロ出してたかも。





「週刊誌か何か?」





「まあ。うん。、そんなとこ。」






「Aのこといじめるなんて許せねえな。ちょっと、文句言ってくる。」





え?





「ちょっと、奏。だめだよ。」






「冗談。」




なんだ冗談か。びっくりした。





「よかった。A,やっと笑った。」

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作者名:かれん | 作成日時:2022年9月8日 16時

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