37話 ページ37
ー羽生sideー
呼ばれたってことは会いたいと思ってくれたってことかな、だとしたら、めちゃめちゃ嬉しい。
「お父さん、大和さん、こんばんは。」
「羽生さん、こんばんは。悪かったね。お手数かけちゃって。」
お手数？
「A、わがまま言ったの？1人寂しくなっちゃった？」
あ、そういうことか。
「あ、俺のわがままです。気にしないでください。」
「じゃあ、邪魔するのも悪いし、ここで失礼するよ。結弦くん、今度はうちにも遊びに来なさい。」
今、結弦くんって言った？
うちにも遊びに？
これって気に入られてると思っていいのか？
「じゃあね、A。結弦くん、今度俺の家にもおいでよ。妻の優香紹介する。」
「お父さん、大和さん。ありがとうございます。では、また今度伺わせていただきます。」
ーーーーーー
「ね、A。さっきのって。」
「お父さんも大和兄もわかりやすいよね。結弦さんのこと、好きなんだと思う。」
やっぱり気に入ってもらえたってことで良かったんだ。
「よかった。」
「ごめんね気使わせちゃって。」
ん？なんだろうあれ。
「A、この袋は何？」
「浅川さんがね。誕生日覚えててくれたみたいで。紅茶だよ。飲む？」
浅川さん。そうだった。でも、消え物？
なんか意外。
「浅川さんと今度食事会で会うんだよね。なんか言ってた？」
探っておこう。
「いや、特に何も言ってなかったかな。あ、でも。誘われてたコンサートは断ったよ。彼氏以外の男の人と2人で出かけるってなんかよくないし。」
え、もしかして。
「彼氏いるって言った？」
「うん。え、まずかった？」
まずくなんかない。
「全然、そうして欲しかったから助かった。」
「あ、なら良いんだけど。」
(ピンポーン)
「あ、奏かな？ごめん。ちょっと行ってくるね。」
「俺も挨拶したいから、帰り際に呼んで。」
「わかった。」
あれ、下の入り口のインターホンじゃなくて、部屋の前のインターホン？
しばらくすると、玄関が開いて、玄関から楽しそうな声が聞こえてきた。
幼馴染って言ってたし、かなり長い付き合いなんだろうな。
あ、部屋に入ってきた。
「わ、大雅さんが言ってた通りだ。本物だ、。」
すらっとした立ち姿。
顔もイケメンの部類で。
これで、お医者さんって。
なんでAの周りはハイスペックな人ばかりなんだろう。
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作者名：かれん | 作成日時：2022年9月8日 16時
