36話 ページ36
ーあなたsideー
「お邪魔します。」
今日は誕生日の前日の20日。
結弦さんが我が家に来てくれた。
「なんか来るの久しぶりに感じる。」
たしかに。私の家で過ごすのは2ヶ月ぶりとか?
「いらっしゃい。何飲みたい?お茶淹れようか?」
「うん。ありがとう。あれ、もう誰か来たの?」
「あ、うん。さっき大雅兄が来てたの。お父さんと大和兄は一緒に来るみたい。」
結構病院忙しそうだったな。
心配。
「ずいぶん大きい袋だね。」
「うん。いつもこんなに良いのにって言ってるんだけど、張り切りたくなっちゃうって言って持ってきてくれるの。」
今回は何をくれたんだろう。
ん?
冬物のコート?
あ、メッセージカードついてる。
「すごい可愛いコートだね。」
「うん。大雅兄の奥さんが春奈さんって言うんだけどね、春菜さんが好きなブランドに一緒に買いに行ったんだって。」
相変わらず仲良いな。
「そうなんだ。Aに似合いそう。」
(ピンポーン)
あ、誰か来た。
えっと、、大和兄とお父さんだ。
「はーい。今開けるね。」
今、エントランスの鍵を開けたから、こっちに来るまでにまだ時間ありそう。
「ね、A。俺はここにいて大丈夫?違う部屋とか行ってたほうがいい?」
んー。気にしないんじゃないかな。
「大丈夫だよ。」
多分すぐ帰ると思うし。
ーーー
(ピンポーン)
「はーい。」
「A、お誕生日おめでとう。」
「大和兄、ありがとう。」
アクセサリーブランドの袋?なんだろう。
「A、おめでとう。」
「お父さんもありがとう。」
お父さんも大和兄もちょっと疲れてそう。
「あがってくでしょ?」
お茶淹れてあげよう。
「あ、いや。ごめん。ちょっと今論文とか手術の準備とかで忙しくてさ。戻らないと。」
そうなんだ。
「体調気をつけてね。健康にね。」
「Aも。今年はちゃんと人間ドックやりに来なさい。羽生さん、来てるのか?」
え、なんでわかったんだろう。
あ、靴か。
「うん。来てるよ。会う?」
「じゃあ、少しだけ。」
「わかった。結弦さん、ちょっといいかな?」
結弦さんに会おうとするなんて、お父さんもすっかり結弦さんのこと気にいっちゃって。
53人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かれん | 作成日時:2022年9月8日 16時