11話 ページ11
「あ、そんな重い話じゃないよ。ちょっと特殊だからさ。」
付き合うためのルールってことかな。
「うん。」
「俺、今はまだ公表するつもりないんだよね。」
そうだよね。まだ付き合い始めたばっかりだし。
「というか結婚したら言わなきゃいけないかもしれないけど、それまでは言うつもりない。Aのこと、ちゃんと守りたいから。」
守る、?
「どういうこと?」
「あ、そっか。AはあんまりSNSとか見ないもんね。」
美容系なら見るんだけど、、。
田中みな実買いとかよく聞くし。
「これ、今までの俺の記事。恋愛系。見たくなかったら見なくて良いけど、これ全部嘘。」
、え?
こんなにたくさん。アスリートだよね?なんで恋愛事情とか詮索されないといけないの?
しかも相手の人までこんなに詮索されるんだ。
「こんな風にデタラメ記事書かせたくないからこそ、思い切って公表するか俺も迷ったんだけど。、でもさ、彼女がいるって言ったら絶対にメディアとかSNSで特定されたりすることあると思う。だからこそ徹底的に隠したい。」
なるほど。
「だから、不安かもしれないけど、信じてついてきてほしい。」
「わかった。」
大切にしてくれているのは伝わってくる。この気持ちさえ感じられれば、私は信じる覚悟を決められる。
「ありがとう。あ、でも。不安なこととか何かイレギュラーなことが起こったらすぐに相談して。隠し事するのは無し。」
「うん。ありがと。」
「それと合鍵。今度は受け取ってくれるよね?」
そっか。前は断ったんだ。
「うん。、私でよければ。」
「よかった。それぐらいかな。、あとは、、あ。そうだ。」
ん?
「これ。あげる。」
ブレスレット?
「これ、?」
「付き合い始めたら渡そうと思って買っちゃった。お揃い。」
可愛い。
「ありがとう。嬉しい。」
「よかった。明日から毎日つけていこうかな。」
「私も。明日は、休みだけど。明後日から、つけていくね。」
あ、そういえば。
「話戻るんだけど、川久保さんには言うの?」
「うん。川久保さんだけには言おうと思ってる。何かあったときに助けてくれるだろうし。」
頼りになりそうだもんね。
優しいし。
「でも、この前反対してないって言ってたし、その辺は気にしなくていいよ。」
「うん。わかった。」
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作者名:かれん | 作成日時:2022年9月8日 16時