8話 ページ8
「合コンとかけっこう参加されるんですか？、俺初めてだったんで、どうしたらいいかわからなかったので、もしかしたら失礼なことしてたんじゃないかと思って。」
「あ、いえ。私も合コンはだまし討ちされない限り行かないです。多分大丈夫だったと思いますよ。お話しするの普通に楽しかったですし。」
やっぱり合コンはあんまり行かない感じだよな。
彼氏いるのか、、？
「遥と円によく心配されて連れ出されるんですけどね。」
ん？ていうことは彼氏いないのか。
よかった。
「あの、どうして誘ってくださったんでしょうか。」
なんて言えばいいんだろう。
ーあなたsideー
「あの、どうして誘ってくださったんでしょうか。」
私がそう聞くと、羽生さんはなにかを考え始めてしまった。
あまり変なこと聞いたつもりはないんだけどな。
少し、困った顔させてしまっているような気がする。
しばらく考えた後、答えを見つけたかのように少し微笑んで、
「また話したいと思ったからです。」
と言った。そんなこと、ファンの人が聞いたら倒れるのでは？ちょっと破壊力抜群だった。
「そ、そうですか。」
「なんか花咲さんって華やかですよね。本当に花みたいで。」
花みたい。そんなの。
「こちらのセリフです。、ん、でも。羽生さんは花というより氷の精という感じですかね。」
そう私が言うと、少しはにかんだような顔で、
「辞めましょう。これ、照れますね。」
と言った。なんかすごく気さくで話しやすい人なのかもしれない。
さっきまで、肩に力が入ってしまっていたけど、なんだかいい感じに気が抜けて、落ち着いてきたかも。
扉のノック音と
「失礼いたします。」
という声とともに、水炊き鍋を女将さんが運んできてくれた。
うまみを感じるようないい香り。
美味しそう。
「ごゆっくりどうぞ。失礼します。」
「ありがとうございます。おいしそうですね。」
「そうですね。よくこういうの食べるんですか？」
よく食べるというか。
「肌とか体にいいものを食べるのが好きなんです。」
「そうなんですね。俺もそこそこ栄養には気を付けてます。」
そうだよね。アスリートなんだもんね。
よし。きれいによそえた。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
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作者名：かれん | 作成日時：2022年7月17日 15時
