47話 ページ47
解熱剤飲んだのかな。
ベッドの近くにある机には薬飲んだ後のゴミは落ちてないし。
ゴミ箱にはいってるのかな。
そう思ってゴミ箱を確認していると、
「ん、？Aちゃん？」
「結弦さん、起こしちゃった？」
「あ、いや。えっと、」
混乱してる。そうだよね。私も風邪をひいて結弦さんが来てくれた時、幻覚だと思ったもん。
「あ！映画。ごめん、。さっきは余裕なくて連絡できなくて。」
「大丈夫。38.5も熱があったらそんな余裕ないよね。お母さんから荷物いろいろ預かったの。あ、そうだ。解熱剤飲んだ？」
「母さんが。、ごめんね。こんなことやらせて。」
謝る必要なんてないのに。
「ピンチの時に呼んでねって言ったでしょ？私だって結弦さんの助けになりたいの。」
「ありがと。解熱剤、切らしてたからまだ飲んでない。」
やっぱり。
「じゃあ、お水持ってくるね。ちょっと待ってて。」
ー羽生sideー
迷惑かけちゃったな。
せっかくの休みなのに。
母さんもなんでAちゃんに押しつけて帰るんだよ。
申し訳なさすぎる。
「結弦さん？大丈夫？」
「あ、うん。ごめん。お水ありがとう。」
「ね、迷惑かけたとか、申し訳ないとか思うの禁止だから。」
え？
「私がやりたくてやってることなんだからね。」
「無理してない？」
「それはこっちのセリフ。熱高いんだから、何にも考えなくて良いの。何か食べれそう？用意しようか？」
弱ってる心と体にAちゃんの優しさが沁みる。
「結弦さん？」
「あー、うん。なんか食べようかな。母さん何かフルーツ持って来てた？」
「うん。みかんとか。りんごとか。」
りんごは剥いてもらうの申し訳ないし。
「みかん食べようかな。」
「うん。じゃあ、おしぼりとみかん持ってくるからちょっと待ってて。」
脇の下と冷えピタのおかげか、少し体が楽になってきたかも。
「お待たせお待たせ。」
「ありがと。Aちゃんも食べなよ。座って座って。」
こんなにみかん食べきれないし。
「ありがとう。じゃあ、私もいただくね。」
メイクも髪も洋服も可愛い。今日のためにやってきてくれたのに行けなくて申し訳ないな。
「あ、そうだ。この間私が酔っ払ってきた日スキンケアしてくれたんだよね？ありがとう。」
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作者名：かれん | 作成日時：2022年7月17日 15時
