31話 ページ31
「そろそろ乳液塗るんだっけ？」
「あ、うん。ちょっと待ってて。手洗ってくる。」
ー羽生sideー
なんとかうんと言わせることに成功した。
よかった、。
こんな苦しそうな笑顔、俺はさせないのに。
ていうか今も昔も細すぎる。
ちゃんとご飯食べてんのかな。
「結弦さん？どうかした？」
「あ、ううん。なんでもない。、そうだ。浅川さんだっけ？どんな人？」
今のところライバル候補だし、知っておきたい。
「あ、えっと。、KASEの最年少役員の人で、すごく優秀みたい。」
最年少役員？
「何歳？」
「たしか、30歳かな。異例の出世スピードなんだけど、鼻にかける感じもないし、謙虚だし、社員の名前も覚えてくれるみたいで、人気らしいよ。」
うわ、完璧な人なんだ。、手強そう。
「私なんかのことも覚えてくれてるし、本当にいい人。」
しかも、Aちゃんが好感を持ってる。
「やっぱり、結弦さんもそうだけど、すごい人って偉ぶる様子もないし、人に優しいよね。」
「別に、俺普通の人だよ。」
「あ、うん。こうやってオフの時は普通の人だと思って接してるよ。でも、今日のアイスショーとかこの前のイベントとか出てるのを見ると、あーこれがみんなの羽生結弦かって思ったり。」
「どっちの方が好き？」
「え？」
ちょっと怖いけど聞いてみたい。
「どっちも何も。どっちも結弦さんでしょ？、どっちも好きだよ。、よし、スキンケア終わり。、今日ももちもち肌だね。」
どっちも俺。か。
どっちも好きって言ってくれるんだ。
「ね、今日遅いし泊まってく？」
「え？」
「あ、深い意味はないよ。ただ、疲れてるだろうし。、」
Aちゃんって本当に。
「危機管理して！」
「え？」
「俺言ったよね？Aちゃんのこと好きって。、泊まったら何されるかわかんないでしょ？」
「結弦さんは、私の嫌がることしないでしょ？優しいもん。」
実は小悪魔？
いや、ピュアなだけ？
「他の人にはこういうこと言わないって約束して。特に浅川さんとか。」
「浅川さんが私の家に来るっていうシチュエーションが想像できないけど、。うん。わかった。で、どうする？泊まる？」
深夜に移動すること自体には慣れてるから、。全然帰れるけど。
「泊まっていい？なんか居心地良くなっちゃって。」
「うん。是非是非。私ももう少し一緒にいたいなと思ってたから嬉しい。」
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作者名：かれん | 作成日時：2022年7月17日 15時
