30話 ページ30
ーあなたsideー
ど、どうしよう。
今までは、なるべく意識しないようにしてたから、お家にあげても緊張しなかったけど、、
なんか妙に緊張してきた。
は、インターホンの音が。
「い、いらっしゃい。」
「なんで緊張してんの?」
なんでって。
「まあ、いいや。お邪魔します。」
「ど、どうぞ。今お茶淹れるね。ハーブティーでいい?」
「ありがとう。あ、スチーマー使って良い?」
「もちろん!」
最近毎日のようにスチーマー借りに来てくれるから結弦さんのお肌が今までに増して美しくなってきた気がする。
ーーーーーーー
「スチーマーしながら聞いてくれる?」
「え?終わってからじゃだめ?」
それでもいいけど。
「なんか、面と向かって話すと緊張して言いたいこと言えなくなるかもしれないから。」
「うん。じゃあ、そういうことなら。」
よかった。
あれは、何年前だったかな、。
「大学生の時にね、憧れの先輩がいたの。」
「うん。、男の先輩?」
「そう。私が一方的に好きだったんだけど、付き合ってもらえることになってね、。付き合い始めたの。」
最初は幸せだったな。
本当にその人のこと好きだったから。
「でも、私って結構尽くしちゃうタイプみたいで、。なんかその人のこと優先しすぎて。、」
あ、そうだ。写真あったかな。
、あったあった。
「これ見て。肌も荒れるし。ガリガリに痩せるし、。自分のことを大切にできなくなっちゃった。、愛されているって実感がなかったから、必死だったんだと思う。」
でも、
「悪いことだけじゃなかったよ。別れた後、肌荒れを治したくて調べたら奥が深くて化粧品が好きになって今の仕事に繋がったし。でもね、。自分のこと1番に大事にしたいから、付き合うとか恋愛とか、今はしたくない。」
「なるほどね。」
納得したっぽい?
「要するに、尽くしすぎないようにすればいいんだ。」
え?
「あ、いや。でも。それは私の問題で。」
「うん。だから、そんなの忘れちゃうぐらい、。理性が残らないぐらい、俺のこと好きにさせるから。覚悟してて。」
有無を言わせないような口調と、目線。
友達以上になるつもりなんて一切なかったのに、。
気がついたら
「うん。」
と言っていた。
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作者名:かれん | 作成日時:2022年7月17日 15時