25話 ページ25
「あのさ、わかってないかもしれないけど、俺。男だよ。」
うん？
「知ってるよ。」
「誰にでもこんなことすんの？だとしたら警戒心なさすぎ。」
心配、してくれてる、？
「誰にでもしないよ。結弦さんだから信用できると思って。」
「、ならいいけど。でも、俺も男ってことは忘れないで。、わかった？」
ん？
「結弦さんはどこからどう見ても男性かと。」
とてもじゃ無いけど、女友達とおんなじノリでは接することができない。
「じゃあ、鍵借りるね。」
「あ、うん。どうぞどうぞ。」
ーーーーーーーーー
ー羽生sideー
「で、なにをゆづはそんなに悩んでんの？」
今はAちゃんが観に来る予定のアイスショーのリハの休憩時間。
それで、今の声の主はのぶくん。
「何も悩んでないけど。」
「じゃあ、さっきからなんで自分の家のものじゃない鍵見つめてるん？」
あ、無意識だった。
「いや、これは。」
「仲良い女の子にでも渡された？この前の子？」
こうなるともう、どうせバレるから相談しよう。
ーーーーーー
「要するに、スチーマーを使いに通うから、鍵を？」
「まあ、そういうこと。」
「え、そんなことで合鍵貸してくれるん？彼女、相当遊び慣れてる子？、いや、違うか。、ゆづの肌目当て？研究者だもんね。ゆづに負けず劣らずオタク。」
まあ、否定はしないけど。
「顔とか体とか名声目当てならわかるけど、肌目当てね。面白いよねその子。」
まあ、面白いとは思うけど。
「アイスショー、招待しないの？」
「来週の東京公演来る予定。、あ、でも。紹介はしないよ。友達だし。」
彼女になってから紹介したい。
「まあ、会ってみたい気もするけど、また今度の楽しみに取っとく。いつ告白しようとか考えてんの？」
考えてないわけではないけど、
「流れに身を任せてみようかなと思ってる。」
「ふーん。、じゃあ、先輩として一つアドバイス。、一般人の子の方が出会いが豊富で周りの人たちの方が自分の感覚と合うことが多いから、気がついたら取られることもあり得る。、慎重なのは良いことかもしれないけど、誰にも譲らないぐらいの気持ちでいったほうがいい。」
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作者名：かれん | 作成日時：2022年7月17日 15時
