Spirit of Flowers and Ice (ページ22)

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22話ページ22

ー羽生sideー

まさかとは思うけど、俺のことお母さんだと思ってる？

普通、お母さんだと思って連絡したのに俺がいたらもっと驚く気がする。

「1人暮らしだと、薬もちゃんと多めに買っておかなきゃってわかってたんだけど、最近忙しくて切らしちゃってたんだよね。、お母さんありがとう。助かった。」

やっぱり。
否定する？いやでも。

「じゃあ、薬飲んだし、私寝るね。、あ、ベッドに運んでくれてありがとう。腰痛持ちなのにごめんね。もう帰って良いからね。」

わ、寝た。

熱高いな。

冷えピタ貼ってあげよう。

そう思って、おでこに冷えピタを貼ってあげると、俺の手が冷たくて気持ちよかったのか、

手を掴んで自分の頬に当てている。

、、やばい。これ、めちゃめちゃ可愛い。

ーーーーーーーーー

ーあなたsideー

ん？なんか体が軽くなった。熱下がったのかも。

いや、でも体の右側がちょっと重い？

ん？

え？

目を開くと、そこには私の手を握って、ベッドに少し寄りかかるように寝ている結弦さんの姿が。

え、待って待って。

来てくれてたのはお母さんじゃなくて、やっぱり結弦さんだったの？

え、さっきのは嬉しい幻覚じゃないってこと？

スマホ。そうだ。スマホ見れば誰にかけたのかわかるよね。

、そう思ってスマホを確認すると、最新の通話履歴にお母さんの名前じゃなくて、羽生結弦という文字列が。

お母さんが声変わりするわけないじゃんね。

「ん？Aちゃん？、熱下がったね。よかったよかった。」

こ、これは土下座案件だ。

「誠に申し訳ございませんでした。」

そう私が深々と頭を下げながら言うと、

結弦さんは優しく微笑んで。

「熱下がってよかったね。」

と私に頭を撫でながら言ってくれた。

「怒ってない？」

絶対失礼なことしたよね。だって、私お母さんだと思って接してたもん。