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12話 ページ12

ーあなたsideー

お忙しい結弦さんに来てもらってしまった。

申し訳なさすぎる、、。




あ。いた。

すらっとした立ち姿。

びっくりするような小顔。、

少女漫画の登場人物みたい。




本当にかっこいい。



そう思ってしばらく眺めていると、こちらに気が付いたようで手を振ってくれた。



「お疲れ様。これ良かったら食べて。」




そう言いながら、おしゃれな袋をくれた。




「ありがとう。」



優しすぎる。




「時間ある?」





ん?




「15分ぐらいなら。」




「あっちに車止めてあるから、車で話さない?」





そっか。立ち話もよくないよね。

でもそれなら。





「治験者の方の控室としてご案内してる部屋があるんだけど、よかったらそこ使う?」




車だともしかしたら人目につくかもしれないし。





「ありがとう。そのほうがいいかも。」






「じゃあ案内するね。」





ー羽生sideー



会うのは1週間ぶりだけど、雰囲気がずいぶん違う。



白衣を着てるっていうのもあるけど、なんかすごく瘦せたような気がする。




「お肌すごくきれいだね。パックのおかげかな。使ってくれてありがとう。」




いつもの花が咲くような笑顔も今は弱々しい。


よっぽど実験大変なんだろうな。






「研究大変?」




「うん。、いい結果出ないし、、夜に作業することも多くてね、人と話したの3日ぶりかも。一人作業だから孤独だし。、。」





それは精神的にくるかも。

消え入りそうな声。
すごく心配。





「あ、私ったらお茶も淹れずにごめん。すぐ持ってくるから待ってて。」






そう言うと、慌てて部屋から出て行ってしまった。



メンタルコントロールって難しい。今回みたいに誰にも話せないときなんて特に。






なにか力になれたらいいんだけど。


仕事熱心なのはすごいことだけど、体壊さないように大切にしてほしい。






しばらくして、ティーセットを手に戻ってきた。

いい香り。ハーブティーでも入れたのか。





「ごめんね。これ、よかったら。」





「ありがとう。あ、そうだ。さっき渡したやつ食べてみてよ。のぶくんに教えてもらったんだけど、美味しいお店のものらしいよ。」





「そうなんだ。じゃあ今いただこうかな。」





肌にもいいらしいし、気に入ってくれるといいんだけど。

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作者名:かれん | 作成日時:2022年7月17日 15時

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