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「ひとつ気になることがあるのですが」
「ん」
「なんでなるせくん以外に好きな人いると思ったの?」
「あ」
「ん?」
「それは、」

チラチラと私を見ては俯くなるせくんを優しく見つめながらどうしたの?と問いかける。

情緒不安定なのかな。
かわいいところは変わらないわね。


「そ、それ……」
まふくん同様に私の首元を指差して気まずそうな顔をする。

あー。あーー!

やっぱり言わなきゃいけないのか。
私の心が深く傷つき、プライドが崩れ落ち、惨めな思いをすることになるあの出来事を。


「こ、これはー、あの、」
「なに」
「その」
「ん?」

「自分で付けたというか……」
汗でびっちょびちょのおでこを可愛いゆめかわ女の子がプリントされたハンカチでゴシゴシ拭う。5秒間くらい沈黙が流れた。空いた口が塞がらないとでもいうようにポカーンとしているなるせくんを見て、うう、と呻く私。

「はあー?」
「うん!うん!分かるよその気持ち!」
「なんのために」
「三夏ちゃんが彼氏に付けてもらって嬉しいって言ってたからどんなかな、って。ネットで調べて自分で……試しに……」
「はあ……」

呆れて物も言えないってか。

まあそうだよね。
でも興味あったんだもん!

「てっきり俺まふくんが付けたのだと」
「なにそれ」
「朝も保健室行ってたし」
「あれは口止め」
「へえ……」

ジロジロじろじろ。

なんか見られてます。



..........
首元に自分でキスマつけられるのか?

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作者名:あやの | 作成日時:2021年3月27日 11時

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