3 ページ4
次の日。
よく分からないがまふくんに思いっきり肩を揺らされる我。
顔が引き攣ってて目の焦点が合ってない。
怖すぎる。
これから殺されるのかな。
「彼女のフリお願いしますよ、なんでもするから!」
ああ、ラブコメ定番のあれ、ですか。
もしかして私まふくんと結ばれたり?絶対スパダリじゃない。優良物件。
「い、」
「まふくんまふくん、そんなに困ってるなら俺が彼女なるよ」
まふく、まふく、そんあにこあってうあらおれが彼女あうよ
みたいに、舌ったらずな喋り方で突然登場するなるせくん。
これでカラオケ行くとめためた舌回るから怖いのよね。
あと自作のラップ歌詞披露してくるから同窓会でイキんな、って言いたくなる。
「なるせくん?んー、あーでもAより可愛いし適任かも」
「はあ?」
「だよねえ、俺かわいいよねぇ」
そんな当たり前のこと言われなくても分かってます!
「……A?いくらまふくんからのお願いでもああいうのは断るんだよ?」
「でも」
「恋愛映画あるあるだからね、絶対その後付き合うことになるからね?」
ありゃ。
なんか同じこと言ってる。
「別にいいけど」
「俺が良くないの!」
「なんで?」
「まふくんは俺のだから?」
ん?あれ。なんか今の発言にトキメキを覚えたのだが。
すっごく口元が緩んでニヤニヤが止められないのだが。
この気持ちはなんだ?自分が言われてる訳じゃないのに。
「なるせくん、文集のね!彼女or彼氏にしたい人かっこ異性のところになんて書いた?」
「えっ……」
途端に顔を真っ赤にするなるせくん。
なるせくんは女子とあんまり話さないもんね?もちろん私にしたよね?という無言の圧をかける私。
「もちろんAだよ」
「そ、っか」
かすかに心がときめくのを感じる。
「Aは?」
「私?私はねー」
「……」
「かなかな!」
「っはあー?その流れは俺だろー!」
「ぶーっだ」
「もう……Aのばぁか」
お馴染みの台パンするなるせくん。
かわいいね!
172人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやの | 作成日時:2021年3月27日 11時