それは嘘か、誠か。 ページ1
カランカラン……という鐘の音で、
ＧＦハウスの朝は始まる。
……というのが、普通なんだろう。
でも、そうはいかない。
「レイ〜起きて〜」
最近……というか、ここ数年の朝は、
このうざい兄貴の声で始まる。
「うるせー馬鹿」
「酷いなぁ〜〜
おはようございます、お兄様、だろ？」
「誰がお兄様だ」
「もちろんこの、お・れ！
事実俺は13歳だろ？」
いや事実だけど……
面倒だから反論しないでおく。
「オハヨーゴザイマスオニーサマ」
「棒読みやめろよ〜」
「やめて欲しけりゃ尊敬出来る兄になるこった」
「兄は認めるんだ」
「事実、なんだろ？」
こいつに絡まれること程厄介で面倒なことはない。
早目に火の粉を払うことにした。
「ノーマンでも起こしてこれば？」
「しょーがねーな」
ようやく諦めてノーマン方面へ。
許せ、ノーマン。
面倒くさい兄を同い年の親友に預け、
俺は食堂へ向かった。
.
「おはよう、レイ」
食堂に行くと、もうノーマンがいた。
あいつとはすれ違いしたのか。
ざまあ見ろだ。
「おはよう、ノーマン」
「その顔は、兄さんに付きまとわれたみたいだね」
そう、俺たちの兄貴、ルデアは、
11歳で最年長になってからというもの、
俺は兄貴、ノーマンは兄さん、エマはお兄ちゃん
というように、呼ばされている。
正直言って面倒以外の何者でもないが……
「ほっはよー！」
「おはよーっ！」
げ。
お節介No. 1&No.2こと、エマと兄貴。
「おはようエマ、兄さん」
「ほっはよー、エマ、兄貴」
エマの上にはフィルがいて、口を引っ張られてる。
因みに、兄貴の上にはトーマとラニオンが。
トーマいいぞ、その調子で口を引っ張れ！
……と、思ったけど、
トーマとラニはすぐに降りてしまった。
「お前ら、歳いくつだ？
あ、たしかちょっと前に
5歳と3歳になったんだっけ？」
「〜〜っ！」
「なんでエマが5歳で俺が3歳なんだよーっ！」
あー…そうだったわ、こいつら。
放って置いても面倒なら、からかっても面倒。
これだから。
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作者名：あくまでも悪魔 | 作成日時：2020年5月1日 13時
