営 業 開 始〜Meeting place〜《 3 》

119 ~隼side~ ページ32

隼「ごめん、おまたせ」


花梨「どうしたの、ぜぇぜぇ言って笑」



息をきらしながら待ち合わせの駅前に着いて、

腕時計に目を落とせば､、10時58分。


…セーフ。

乗るつもりだった電車には結局乗れなくて、

1つ遅れの電車に乗って、走って､、


大の大人が街中を全力疾走するって、どんなに恥ずかしいか。





隼「待った？」


花梨「ううん、待ってない」




そう言って微笑む花梨はやっぱり綺麗で。

大人っぽいコートに高いピンヒール

ふわふわな髪


いつみても絵になる





隼「どっか行きたいとこある？」


花梨「クリスマスだから混雑してるかなって思って、
　 駅の中にあるレストラン予約しといた」


隼「ありがと、助かる」






行こっか

ってうながされて隣を歩く


クリスマスに昼飯誘っといてどこも予約してない男って

情けなすぎる






花梨「なんであんなに急いでたの？」


隼「Aのカフェ寄ってたらいつの間にかこんな時間！みたいな」


花梨「あー笑、そうなんだ。Aと喋ってたら時間早いよね笑」





花梨もそう思うんだ、

なんかAって、黄色っていうかオレンジっていうか

そんな色のオーラまとってる気がして落ち着く。


そういう力もってんだろうな

誰とでも親しくなれて、相手を落ち着かせる。みたいな






花梨「あ、ここなの。お店。」


隼「あー、入った事なかったわ」







花梨が指差すお店は

ちょっと高級そうなフレンチレストラン。


別に、クリスマスだからこれくらい普通だと思うし、

花梨が奢って貰おうって気でここを予約したんじゃないってわかってる。



…けど、どうしても、

Aと行ったチェーン店のパスタ屋を思い出してしまう。



なんで、Aはこうやって時々、頭に出てくんだろ

そういう能力もあるの？

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