営 業 開 始〜Meeting place〜《 3 》

118 ~隼side~ ページ31

「ううん、大丈夫。なんでもない。」


悩み事がある？

ずっと気になってた質問をすれば、

思ってたとおりの、そんな返事。


たまにAは、難しい顔をして、苦しそうに笑う。
　


その顔は好きじゃない。


俺じゃあ、頼りないのかな、

そう思いながら冷めてきたコーヒーを啜る。



なんか、ただの悩み事じゃなさそうなんだよな

誰かを思ってるような顔。


その誰かに当てはまる人は、俺には1人しか浮かばなくて、

…やっぱり涼太君なのかな。






　「…隼、隼？」


隼「ん？え？」


　「さっきから名前呼んでるのに、全然反応しないから、」


隼「ああ、ごめんごめん笑」


　「時間！、大丈夫なの？」






そう言われて、時計に目を向ければ、ちょうど10時半頃

…やば





隼「やばい、遅れる！」


　「もお。大丈夫？」





やばい、やばい、

こっちから誘っといて遅れるとかアホすぎる


残ってた少しのコーヒーをグビッと飲みほして、

急いでお会計を済まして、



行ってくる！


そう言おうとした時、





　「あ、ちょっと待って‼」





Aがなにやらゴソゴソしだす。

なんだろ、



渡されたのは、小さな紙袋。






　「なんか､、ピンチ？みたいな時に開けてね」


隼「ん？んー、わかった」




ようわかんないけど、わかった


ご馳走さま、ありがとー！

って去り際に言って店を出る。



急ぎ足で店を出たとき、

ほんの一瞬。




見間違えかもしれないけど､、



Aが泣きそうな顔してる風に見えた。

そんな気がした。




…なんで？

なんで？


まだ俺の頭からAが熱出した日の言葉も離れてないし




　"花梨さんのとこ行かないで"


って。


Aが複雑な顔をする原因の人は､、涼太君だよね？




…もう1人。

頭に浮かんでしまうけど、それはものすごく恥ずかしい考えで


俺はその考えから逃げてる。

目を逸らしてる、ずっと。




考えたくないよ、こんな事。

だけど、


好きなはずの花梨のとこに向かう途中、



泣きそうなAの顔が頭から離れない。




こんなの､、おかしい。

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