1-1 終わりと始まり ページ1
“決まったー！まさに小さな巨人！”
“これで5連続ポイントです！春の高校バレー全国大会、190cmの選手達がひしめく中、烏野高校の小さな巨人が、所狭しと飛び回っています！”
夢を、見ていた。
鳴り響く目覚ましを手で止めると目が覚める。
今おれは中学3年生で、しかも今日は青城の入試の日。
まだ眠っているであろう徹を起こさないよう、二段ベットをゆっくりと降りる。
おれの出身校である北一の奴らは、大半が青城に行く。それは兄である及川徹もそうだし、幼馴染みの
おれも勿論、中1の頃は青城に行くものだと思っていたし、疑いもしなかったけれど、おれは徹がいる限り、青城には絶対に行かないんだと、中3になると思うようになった。
つまり、今日の入試は手を抜く。
ではどこに行くのか。
白鳥沢はムリ。偏差値高杉君だし、かといって他の所は遠すぎる。
けど、千鳥山の西谷は烏野に行くって聞いて、建前は青城に行くと言っていたけれど、本心は烏野に行こうと決めた。
偶然にも家から烏野は近かったし、なにより何年か前に烏野は全国に行った。
おれはその時の様子を覚えてるし、王を支える丞相という異名を持つ者として、烏野を全国に導いてみせる姿が何回も目の前に浮かんだ。
…つまり、目指すは烏野である。
◇◆
「及川、今試合してるのってお前の出身校だっけ？北一って」
『そーっすよ。おれ北一出身なんすよ』
「えっ、俺知らなかったんだけど。青城に進みそうだけどなー」
「確かに北一は青城に進む人が多いって聞くしな」
高校1年生、冬。
おれは今バレー部の仲間と中学生の試合を観にきていた。対戦校は、北一vs雪ヶ丘。
勿論、おれの視線の先には後輩である北一の選手。雪ヶ丘の選手と北一の選手を見比べながら、北一ってデケーよな、と呟いた龍の声が耳に届く。
そして試合中にも関わらず響く怒声。
もっと速く飛べだとかそういう事を言っているらしい。チームメイトには明らかな呆れの表情が浮かんでいるのがハッキリとわかる。
「コート上の王様、か」
「高校に上がってきたら厄介な敵になりそうだな」
「あのチビも楽しみっすね」
『あのオレンジヘッドの？アイツ確かに速えーもんな』
そしてシューズが床に着く音がして、黒のジャージを背負う高校生は遠ざかっていった。
“烏野高校”
そう、“落ちた強豪”である。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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すー - 「鵜飼」ではなく「烏養」です！ 上から目線すいません！！ (2020年12月30日 23時) (
レス) id: bd90c5f980 (このIDを非表示/違反報告)
Il neige.(プロフ) - よーまさん» ご指摘有難うございます。岩ちゃんだったなんて知りませんでした、教えてくださって感謝ですm(_ _)mこれからもよろしくお願いします (2020年10月11日 18時) (レス) id: 2877016d0e (このIDを非表示/違反報告)
Il neige.(プロフ) - 大福の神さん» 申し訳ありません、cv欄は削除しました。声優に疎いって悲しいっすね…泣 (2020年10月11日 18時) (レス) id: 2877016d0e (このIDを非表示/違反報告)
よーま(プロフ) - CV吉野裕行さんもう居ますよ...岩ちゃん... (2020年10月10日 22時) (レス) id: afcc0c8c8a (このIDを非表示/違反報告)
緑雷 - Il neige.さん» 有難うございます！ (2020年9月21日 13時) (レス) id: b97162c949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Il neige. | 作成日時：2020年9月13日 19時
