3年A組隼人が好き。 (ページ22)

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思い出ページ22

You side

先生の授業が終わり、
あたし達は、もらったパンを食べた。

『大丈夫だよ…香帆。』

宇佐美「っ泣…ｸﾞｽﾞｯ…ごめん…」

ずっと泣いていた香帆の背中を、さすっていると、いつの間にか香帆は、寝てしまっていた。

甲斐「足…治りそうか？」

『うん、もう痛くないよ。ありがとう。』

甲斐「そうか、良かった。」

『心配してくれてたの？』

甲斐「そりゃあ…心配や1つはすんだろ、彼氏なんだし。」

『フフっ…彼氏だから？』

甲斐「何笑ってんだよ、笑」

『隼人くんが、自分から彼氏だからって言うの、初めて聞いたけど？』

甲斐「そんなちょくちょく、言わねぇよ。」

笑っている隼人くん。
前にも…こんなことあったな。

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～回想～

『ｸﾞｽﾞｯ…泣…っっ…』

あれは…雨がすごく降ってた時だったっけ…。
あたしと、
隼人くんが付き合う前の話し。

あたしは、確か…友達とも喧嘩して…前の彼氏とも別れて、上手くいかなかった時。
何もかもが嫌になった。

『もうっ泣……っ……嫌…』

大雨が振り続ける中、
あたしは、道端にしゃがみこんで、傘もささずに…ひたすら泣いていた。

そんな時、
誰かがあたしの前に来た。雨が止んだかと思ったら、その人が傘をさしていた。

その人は、
傘の中にあたしを入れた。

甲斐「…泣くな。」

『…っ…ｸﾞｽﾞｯ………甲斐くん……？』

甲斐「そんなちっぽけなことで、泣いてんじゃねぇよ。お前は、笑え。」

『え…？』

甲斐「笑ったお前が、俺は好きだな。」

そう言って微笑んだ、隼人くんを…
今もよく覚えてるよ。

甲斐「さっ、帰るぞ。」

『ありがとう……甲斐くん…』

あの言葉…今もたまに言ってくれる。
泣いたりした時には、いつも同じことを言って、励ましてくれる。

そんな隼人くんが好き。

あの時に…隼人くんのことが、好きになったのかもしれない。

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