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「Aちゃん、お酒強いんだねぇ〜〜」
4杯目がもうすぐ無くなりそう。もう少しゆっくり飲みたい私の気持ちを感じることもできず、佐々木さんは上機嫌でお酒を注文する。
「先輩、ちょっと休憩しましょ！」
「うるせぇ、小瀧は女子とイチャイチャしてろぉ」
こうなると止まらないのか、望が何と言おうとお酒を飲み続ける佐々木さん。望は申し訳なさそうに、私を見る。
仕方ない。これも仕事。望との再会に浸る時間もここにはない。
「あ、Aちゃん、追加の生がきたよぉ〜」
「ありがとうございます」
５回目の乾杯をした後、佐々木さんはついに机に突っ伏した。
「いやぁ…Aちゃんには敵わないよぉ…」
やっと目をつぶったか…。
それを確認するとようやく私もグラスを置くことができた。仕事終わりの疲労。ピッチの早い飲み方。しんどくなるのも無理なかった。
気のままに酔えたらいいのに、仕事だと思えば酔いも回らないのだと、深く息を吐いた。
「これ水」
そっと置かれたグラス。望が困ったように私を見ていた。
「ありがとう」
「ほんまにごめん」
「何で望が謝るんよ」
望の話し方があの頃に戻り、私までつられてしまう。
「佐々木さん、お酒ほんまに好きで、毎回こんな感じになるねん」
「んー、そうなんやろなって思ってたで」
「ごめんな、止められんかった」
望が渡してくれた水を飲んだ。アルコールじゃないだけで、何だか気持ちが軽くなる。
「望、元気やった？」
ようやく言葉にできた。私の中のお酒も少しずつ回り始め、頭の中がふわふわしていくのを感じる。
この時間がもしかしたら夢なのかもしれない。もし夢なら、何でも言えそうな気がしてくる。
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作成日時：2019年2月25日 12時
